黄金期バルサ、無敗優勝アーセナル 最強なのにCL制覇できなかった9チーム

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アーセナル photo/Getty Images

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アトレティコ・マドリード  photo/Getty Images

バレンシア  photo/Getty Images

ドルトムント  photo/Getty Images

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チャンピオンズリーグは優勝予想が極めて難しいコンペティションだ。圧倒的な力を有するチームが思わぬところで躓くケースもあり、それが面白さの理由なのだ。今季ならば開幕から抜群の安定感を見せるユヴェントスが優勝候補筆頭と言えそうだが、そんな簡単にはいかないだろう。

今回英『FourFourTwo』は「チャンピオンズリーグを制覇できなかったベストチーム10選」と題し、圧倒的な力を誇りながら頂点に立てなかったチームを紹介している。チャンピオンズリーグで波乱が起きるのは歴史が証明しているというわけだ。

1.アーセナル(2003-04)

このシーズンといえばアーセナルがプレミアリーグで無敗優勝を成し遂げたシーズンだ。パトリック・ヴィエラ、ティエリ・アンリらを擁するアーセナルはまさに最強との呼び声がふさわしいチームだった。しかし、チャンピオンズリーグでは準々決勝で姿を消すことになった。しかも相手は国内のライバルであるチェルシーだ。国内を完全に支配していたはずが、思わぬ形で反撃を喰らってしまった。

敵地スタンフォード・ブリッジでの1stレグを1-1のドローで終え、ホームで迎えた2ndレグで幸先よく先制したところまでは完璧だった。しかし後半にフランク・ランパード、ウェイン・ブリッジに得点を許して敗れている。

2.チェルシー(2004-05)



その翌シーズン、プレミアを支配したのはジョゼ・モウリーニョ率いるチェルシーだった。勝ち点95を稼いで優勝を果たし、失点数はたったの15点。チャンピオンズリーグでもベスト16でバルセロナ、ベスト8でバイエルンを撃破し、このままの勢いで頂点に立つかと思われた。

しかし、このシーズンはリヴァプールが神がかっていた。準決勝でチェルシーを2戦合計1-0で撃破し、決勝ではミラン相手に0-3から追いつくイスタンブールの奇跡を演じて優勝している。

3.ユヴェントス(1996~1999)



ファイナルでなかなか勝てないのはユヴェントスの特徴と言っていいかもしれない。近年もユヴェントスは決勝まで駒を進めながらバルセロナ、レアル・マドリードに敗れているが、似たようなことが1990年代後半にもあったのだ。

1996-97シーズンはグループステージを無敗で突破し、決勝トーナメントに入ってからもローセンボリ、アヤックスを余裕で撃破。ディディエ・デシャン、ジネディーヌ・ジダン、クリスティアン・ヴィエリらスターを擁するユヴェントスが優勝かと思われた。何よりその前の1995-96シーズンはユヴェントスがチャンピオンズリーグを制していたのだ。誰もが連覇を予想したものだ。

しかし、決勝ではドルトムントに1-3で敗れてしまった。同メディアは「最もショッキングなファイナルの1つ」と伝えており、サプライズだったと言える。

続く1997-98シーズンにもユヴェントスは決勝に進出することに成功する。3シーズン続けてのファイナルとなったのだが、決勝ではレアル・マドリードに0-1で敗れた。ジダン、フィリッポ・インザーギ、アレッサンドロ・デル・ピエロ、エドガー・ダビッツなどサッカー界を代表するスター選手たちを擁しながら頂点には届かなかったのだ。

1998-99シーズンも準決勝までは進んだのだが、当時3冠を果たしたマンチェスター・ユナイテッドに敗れてしまった。この4年で1度しか優勝できなかったのが信じられないほど当時のユヴェントスは豪華だった。

4.アトレティコ・マドリード(2013-14&2015-16)



特に2013-14シーズンはアトレティコにとってショックが大きいだろう。バルセロナ、レアル・マドリードを抑えてリーガ・エスパニョーラを制し、チャンピオンズリーグでも抜群の安定感を武器にファイナルまで駒を進めたのだ。しかも決勝のレアル戦は後半ロスタイムまで1-0でリードしていた。それをセルヒオ・ラモスのゴールで振り出しに戻され、延長戦の末1-4で敗れてしまった。未だに悔やまれる一戦だろう。

5.バレンシア(1999~2001)



今では想像がつかないかもしれないが、当時エクトル・クーペルに率いられたバレンシアはチャンピオンズリーグで2シーズン続けて決勝まで駒を進めた。しかも1999-00シーズンにはベスト8でセリエA王者に輝いていたラツィオまで撃破したのだ。当時のラツィオにはアレッサンドロ・ネスタ、ファン・セバスティアン・ヴェロン、ディエゴ・シメオネ、パベル・ネドベドなどスターが揃っていた。

バレンシアの方もクラウディオ・ロペス、ガイスカ・メンディエタ、ミゲル・アンヘル・アングロら名手を揃えていたのだが、決勝ではレアル・マドリードに0-3で敗れてしまった。2000-01シーズンにはアーセナルも撃破して決勝へ進んだが、PK戦の末バイエルンに敗れてしまった。

6.ドルトムント(2012-13)



ユルゲン・クロップ率いるドルトムントにとって、このシーズンは集大成と言ってよかった。2010-11、2011-12シーズンとブンデスリーガを連覇し、ロベルト・レヴァンドフスキやマルコ・ロイス、イルカイ・ギュンドアン、マッツ・フンメルスらも十分に成熟していた。特にレヴァンドフスキはこの大会10得点を挙げる活躍を見せている。

しかし決勝では国内のライバルであるバイエルンに1-2で敗北。とはいえ当時のバイエルンはユップ・ハインケスが作り上げたパーフェクトに近い相手だったため、仕方がないと考えることもできるだろう。バイエルンはこのシーズン3冠を果たしている。

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バルセロナ photo/Getty Images

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7.バルセロナ(1993~1996)



バルセロナはまだヨーロピアンカップと呼ばれていた1991-92シーズンに頂点に立っている。故ヨハン・クライフ氏が指揮したチームにはジョゼップ・グアルディオラ、ミカエル・ラウドルップ、ロナルド・クーマン、フリスト・ストイチコフらスター選手がおり、黄金期を築いていたのだ。

1993-94シーズンにもバルセロナは決勝に駒を進めるのだが、決勝ではミランに0-4とまさかの大敗。ロマーリオまでいたチームがパオロ・マルディーニやマルセル・デサイー、デヤン・サビチェビッチらを擁するチームに敵わなかった。

8.アヤックス(1995~1997)



今でこそレアルがあっさり3連覇してしまったが、チャンピオンズリーグは連覇するのが極めて難しい大会として有名だった。アヤックスもその壁を打ち破れなかったチームの1つだ。

1994-95シーズンには、前回王者だったミランを撃破して優勝を果たした。ルイ・ファン・ハール率いるチームは若いオランダ人選手が大半を占め、決勝でもスタメン11人中9人がオランダ人選手だった。エドウィン・ファン・デル・サール、パトリック・クライファート、エドガー・ダビッツなど、今のオランダ代表からは想像もつかないスター揃いだ。

続く1995-96シーズンも完璧だった。グループステージではレアル・マドリードが同居していたにも関わらず、僅か1失点しただけで無敗突破。決勝トーナメントでもドルトムント、パナシナイコスを粉砕し、意気揚々と決勝へ駒を進めたのだ。しかし決勝ではジャンルカ・ヴィアッリやファブリツィオ・ラバネッリ、アントニオ・コンテ、チーロ・フェラーラを擁するユヴェントスにPK戦の末敗れた。

翌シーズンの1996-97シーズンも準決勝でユヴェントスに敗れており、ユヴェントスに優勝の可能性を連続して阻まれてしまった。

9.ユヴェントス(2014~現在)



クリスティアーノ・ロナウドを迎えた今季のユヴェントスには、どこかチャンピオンズリーグを制覇しなければとの使命感のようなものがある。2014-15シーズンは決勝でバルセロナに敗れ、2016-17シーズンはレアル・マドリードに敗れた。もうこの悔しさを味わってはならないとロナウドを獲得し、チャンピオンズリーグ制覇への準備は整いつつある。

問題は下馬評通りに進むかどうかだ。開幕からユヴェントスは絶好調だが、チャンピオンズリーグは甘い大会ではない。今季も優勝を逃すようなことがあれば、サポーターだけでなく指揮官マッシミリアーノ・アッレグリもショックが大きいだろう。


果たして今季はどのようなドラマが待っているのか。3連覇中のレアル、昨季ファイナリストのリヴァプール、No.1の安定感を誇るユヴェントス、ジョゼップ・グアルディオラ体制3年目のマンチェスター・シティ、リオネル・メッシ擁するバルセロナ。このあたりが優勝候補と言えそうだが、ベストチームが勝つとは限らないのがチャンピオンズリーグの醍醐味だ。思わぬチームが決勝まで駒を進める仰天のシナリオが待っているかもしれない。

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