アモリムのスタイルはチームに根付くのか
昨年11月にルベン・アモリムを指揮官に招聘してから2ヶ月、マンチェスター・ユナイテッドはかつての強さを取り戻せるだろうか。
アモリムはポルトガルのスポルティングCPで結果を出してきた39歳の青年指揮官であり、マンUでもスポルティング時代と同じ[3-4-3]のシステムを採用するなど戦術に強いこだわりを持つタイプの指揮官だ。
マンU側としては、主導権を握る攻撃的サッカーの浸透をアモリムに期待しているはず。ただ、ここまでの13試合は5勝2分6敗と微妙な結果だ。まだ就任したばかりとはいえ、アモリム体制に不安を感じている者もいるだろう。
『ESPN』は、近年のマンUが戦術面で似たようなルートを辿ってきたと振り返っている。自分たちからボールを動かすスタイルを導入しようとしては失敗し、カウンター中心のサッカーに切り替え、また攻撃的スタイルを目指すといった具合にだ。
「ファーガソンが勇退してからの10年は、戦術面が変わり続けてきた。この10年で上手くいっていた時期は、カオスを受け入れながらトランジションをベースにプレイしていた時だった。しかし試合の主導権を握らないまま一貫性を出すのは難しいため、最終的には新しい監督が新たなポゼッション型のシステムを導入しようとし、それが失敗する。それから後任の指揮官がトランジション型を受け入れ、1シーズンはそれが機能するが、2シーズン目は機能しない。そしてまた同じサイクルが始まるのだ」
「アモリム体制でこのパターンが続くかは分からないが、アモリム体制でのリーグ戦9試合ではボールを運ぶ速度が遅い。遅くなっている理由は、ゆっくりプレイしたいからではない。ボールを保持しつつ、素早く前線へ進む術を見つけるのに苦労しているからだ。ポゼッション率は前のテン・ハーグ体制より上がっているが、ファイナルサードでの支配率は55%から50%へと低下している。またパスが増えても、シュートはそれほど増えていない。アモリム体制では1本のシュートを放つのに平均43本のパスを必要としていて、これはリーグワースト3番目の多さだ」
もっとも、アモリムはシーズン途中から就任している。アモリムのスタイルに合う選手が揃っていないところがあり、もう少し長い目で見る必要はあるだろう。それが結果に繋がるかは分からないが、アモリムのスタイルはマンUに根付くだろうか。