今季もドイツ・ブンデスリーガの優勝候補筆頭がバイエルンであることに変わりはない。前線にはFWハリー・ケイン、守備ではDFキム・ミンジェも補強しており、昨季より陣容は厚くなっている。12連覇へ視界良好と言っていい。
しかし、他クラブも黙っているわけにはいかない。何とかバイエルンのペースに喰らいつき、チャンスさえあれば王座奪取をと考えるクラブもあるだろう。
まずは昨季バイエルンとデッドヒートを繰り広げたドルトムントだ。MFジュード・ベリンガムは失ったが、中盤にはフェリックス・ヌメチャと経験豊富なマルセル・ザビッツァーを加えている。前線では昨季FWセバスティアン・ハラーが精巣がん治療の影響もあって長く戦列を離れていたが、復帰した後半戦からはチームの調子も上がった。ハラーがフル稼働できればドルトムントは優勝も狙えるのではないか。
次なる注目はライプツィヒだ。毎年のことながら、今夏もライプツィヒはDFヨシュコ・グヴァルディオル、FWクリストファー・エンクンク、MFドミニク・ショボスライ、コンラッド・ライマーら主力をビッグクラブに引き抜かれている。
しかし、補強の方も活発だ。RCランスから加えたベルギー代表FWルイス・オペンダ、パリ・サンジェルマンからレンタルで獲得したFWシャビ・シモンズ、ザルツブルクから獲得したスロベニア期待の大型FWベンヤミン・シェシュコ、最終ラインにもリヨンからカステロ・ルケバ、パリ・サンジェルマンから期待の18歳DFエル・シャダイル・ビチャーブを加えるなど、楽しみな新戦力が顔を揃える。特にオペンダ、シモンズ、シェシュコの若きアタッカー3人衆には期待したいところで、彼らは次世代のスター候補だ。
その次は昨季4位とサプライズを見せたウニオン・ベルリンだ。ドルトムント、ライプツィヒに比べると地味な印象は拭えないが、今夏はインテルからDFロビン・ゴセンス、モナコからFWケビン・フォラント、ヘルタ・ベルリンからMFリュカ・トゥザールを獲得するなど、昨季の戦力をベースに興味深い新戦力も加えている。
さらに今夏はチェルシーから20歳FWダビド・ダトロ・フォファナ、リーズ・ユナイテッドからMFブレンデン・アーロンソン(22)をレンタルで獲得するなど、若手にも目を向けた。昨季のウニオン・ベルリンは23歳未満の選手がたった1人しか出番をもらっていないというベテラン中心のチーム構成だったこともあり、フォファナとアーロンソンの若い戦力をどう活かしてくるのかも注目される。
果たして彼らはバイエルンについていけるのか。バイエルンの12連覇に待ったをかけるチームが出てこなければリーグは盛り上がらないはずで、ドルトムントやライプツィヒといったチームの奮闘にも期待がかかる。