育て、鍛え、戦い、そして勝つ! 広島アカデミーの傑作たちに宿るDNA

GK大迫もアカデミー出身 photo/Getty Images

先発のうち7人がアカデミー出身

 この試合でスプリント18回は両チーム通じて断トツの1位、走行距離も11.699キロメートルとチーム2位を記録した広島のMF川村。難敵C大阪と対峙しても臆することなく、その力を存分に発揮した。

「前半の入りから良かったです。自分たちのサッカーができました。シュートも打てたし、(点が入らなくても)それを続けていくしかないと思っていました。うちは後半の終盤が強いので、そこまで0-0なら何かが起きると思っていました。いい運び方ができたと思います。

「(シュートの場面は)右足だったので正直入るとは思っていませんでした。でもとにかく打とうと思っていました。ビルドアップは(MF野津田)岳くんに任せて、自分は2.5列目から入っていくことはすごく意識していました。その中で何本かクロスのこぼれがありましたが、うまく止められてしまいました。次はそこで2次攻撃できるようにボールを前に圧力を高めていきました。(ボールを拾えば)単純に得点の確率が上がると思いますし、そこは意識しました。強いチームは連敗しないと思うので、ここで勝ち切れたのはすごく大きいと思います」
 前節F東京を内容で圧倒しながら試合を落としていただけに、ホッと安堵の表情を浮かべた。じりじりする展開に最後尾でチームを鼓舞し続けたのはGK大迫。

「(最大のピンチだった後半の場面は)最初相手がワンタッチで打ってくるかなと思いました。できるだけギリギリまで体勢を崩さず対応しようとしたことが、あの横パスに対しても対応できたのかと思います。自分の中では納得のいく対応でした。横パスが相手も足に当たっていなくて、それはついていたと思います」

「(ほぼハーフコートの展開だったが)こういう試合の方が疲れがきます。攻めて攻めて決めきれない分、一発でやられるというこういう試合の方が難しいです。精神的にはきついですね」

「(最後にヴィエイラが決めたが)自分たちの好調もこういう部分で、スタートから出た選手、途中から入る選手がうまく連携できていると思います。まずは連敗しなかったのが大きいです」

 彼らに対する評価を訊かれたスキッベ監督は「今日の成功の中では欠かせない二人だったと思います。敬介(大迫)は日本最高のGKですし、拓夢(川村)も日本で最高のMFです。そのふたりがチームにいてくれるのは素晴らしいと思います」と答えた。

 川村と大迫、ふたりに共通するのはアカデミー出身であること。レンタルで経験を積み成長してきた川村に対して、大迫は一貫して広島とそれぞれの道筋は違うが、彼らにはしっかりと広島のDNAが宿っている。広島は実に先発11人のうち7人がアカデミー出身者だった。

 そのひとりである左WBの東は「(なかなか点が取れなくても)気持ちの乱れはなかったです。まだチャンスがあるから、次決めればいいと思っていました。チームとして監督は守備が大切だといってますし、いい守備からチャンスが作れていると思います。(チームの課題は)点を取るところですね。連敗せずに勝ったことは強いチームには必要なこと。上位で戦えるというモチベーションもあるんで」

 育て、鍛え、戦い、そして勝つ。広島のトップとアカデミーのハーモニーはより理想的なものへと進化していく。


 文/吉村 憲文

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