Jリーグからはオナイウを引き抜いた 世界70のリーグに目を向けるトゥールーズの残留戦略

トゥールーズで戦うオナイウ photo/Getty Images

2部からの昇格を目指して着々と力をつけてきた

2019-20シーズンにリーグ・アン最下位に終わり、そこから2部のリーグ・ドウでの戦いを強いられてきたトゥールーズ。昨季圧倒的な力でリーグ・ドゥを制して1部昇格を決めたのだが、このまま残留できるだろうか。

現在チームは12位と残留へ悪くない位置につけているが、注目されているのが幅広いスカウティングだ。

チームでは日本代表FWオナイウ阿道もプレイしており、2021年に横浜F・マリノスから移籍している。英『The Guardian』はJリーグから選手を引き抜いたオナイウのケースもトゥールーズの狙い通りと振り返っており、トゥールーズは世界の70近いリーグに目を向けているという。そこにはもちろんJリーグも含まれ、他にもオランダ2部やデンマーク、ノルウェーといったリーグもスカウティング対象だ。
2020年にイングランドのMKドンズから引き抜いたFWリース・ヒーリーもその典型例で、イングランド3部で活躍していたヒーリーはトゥールーズでも1部昇格に大きく貢献。昨季はリーグ・ドゥで20ゴールを記録した。今季は大怪我を負ってしまったが、オナイウのライバルの1人でもある。

他にも2021年にミッティラン(デンマーク)からDFラスムス・ニコライセン、2020年にレフスキ・ソフィア(ブルガリア)からMFスタイン・スピアリングス、今冬にはコロコロ(チリ)からDFガブリエウ・スアソを獲得。そして最大のヒットとも言えるオランダ人MFブランコ・ファン・デン・ボーメンはオランダ2部のデ・フラーフスハップから引き抜いた。彼らは2部昇格、そして今季の1部残留へのカギだ。

アカデミーの育成も忘れていない。主力となっているDFアンソニー・ルーオー(21)、20歳のMFファールス・チャイビらは興味深い存在で、トゥールーズはリーグ・アンで戦えるチームを作り上げるべく懸命にスカウティングと育成を続けてきたのだ。

現代では当たり前の補強スタイルとも言えるが、そこで確実なヒット補強へ繋げるのは簡単ではない。結果的にトゥールーズは昨季リーグ・ドゥを制し、今季もリーグ・アンで中位につけている。このまま残留できれば、ひとまず昇格から残留へのプロジェクトは成功だ。

今月1日のトロワ戦で今季初ゴールを挙げたオナイウも残留へのピースになってほしいところで、オナイウの成功次第でJリーグからの引き抜き事例も増えるかもしれない。

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