カタールの地で見たかったヤング・サムライたち 日本代表の既存戦力を脅かすのは誰?

W杯・カタール大会前から注目されていた中村敬斗 photo/Getty Images

魅力的な若手が育っている

先日、日本サッカー協会から森保一監督が代表の監督業を続投することになったとの発表があった。契約期間は2026年に開催される次のW杯までだという。

森保政権では多くの若手が主力として台頭した。今大会がW杯初出場だったのは19人とかなり多い。三笘薫はその筆頭であり、ジョーカーとしてサムライブルーを支えてくれた。次の代表戦は3月に予定されており、森保監督は新たな戦力を招集することになるのだろうか。

日本人選手が海外を拠点にすることはすでに珍しいことではなくなっており、海外でプレイするもカタールに呼ばれなかった実力者は多い。
前線でいえばスペインのアラベスでプレイする原大智の名前が挙がる。23歳のセンターフォワードで、昨季はベルギーのシント・トロイデンで、今季は保有元のアラベスにいる。魅力は191cmの長身で日本人離れしたサイズを持っている。日本代表の現FW陣はスピードに強みはあってもフィジカル的な優位は少なく、前線でボールが収まらないことが悩みだ。原はそんな問題を解決できる可能性を秘めている。

オーストリアのLASKリンツで輝く中村敬斗も今後に期待できるFWの一人だ。ガンバ大阪でキャリアをスタートさせたサムライで、2021年からオーストリアに拠点を置いている。所属チームでは左サイドで起用されることが多く、今季はここまで15試合で8ゴール3アシストを記録。リーグでの得点ランキングでは4位にいる。ゴールにアシストとやれることが多く、新たなドリブラーとして森保ジャパンに加わることになるか。

ポルトガルのジル・ヴィセンテにいる藤本寛也はチャンスメイカーとして存在感を放っている。パスでゲームを作ることができ、今季はここまで2アシストを記録。キーパス数28本はチーム内では断トツトップで、リーグ全体で見ても5位と悪くない。インサイドハーフやトップ下で真価を発揮するタイプで、鎌田大地とポジションを争うことになるか。

セルティック行きが濃厚とされる岩田智輝のサムライブルー入りはあるのだろうか。ここまで代表招集歴こそあるものの、先日のE-1選手権のような国内組限定のような場合に限られていた。岩田は中盤、センターバック、サイドバックの3つのポジションをプレイすることができ、横浜F・マリノスでは今季中盤とCBでの起用が主だった。中盤ではビルドアップの貢献度とボールを刈り取る能力の高さが光っており、遠藤航と守田英正に続く存在となれるのだろうか。

中盤でいえばもう一人候補がいて、それがスイスのグラスホッパーでプレイする川辺駿だ。所属クラブではダブルボランチの一角としてプレイすることが多く、見るべき点は得点力の高さだ。ゴール前に飛び出すタイミングが正確で、ここまで6ゴール4アシストとすでに二桁得点に関与している。アジア予選では森保ジャパン入りすることもあったが、カタール行きの機会はなかった。

守備陣で期待できる選手は多く、右サイドバックでいえばAZの菅原由勢が候補に挙がる。オランダでは定位置を確保しており、右SBだけでなく右サイドハーフで起用されることもあった。W杯前に招集されたが、負傷でチャンスを逃している。ただ22歳と若く、今後確実に呼ばれる存在だといえる。

W杯前のテストゲームで招集されるも、出番のなかった旗手怜央は今後どのポジションで起用されるのだろうか。アジア最終予選のベトナム戦では中盤で起用されているが、川崎フロンターレやセルティックではSBとして試合に臨むこともある。ユーティリティ性に長けた選手で、左SBとしてポジションを争うことも可能だ。中盤と比べれば選手層は薄いため、今後の起用法に注目したい。

グラスホッパーでプレイする瀬古歩夢も旗手と同様に招集されるも出番はなかった。右利きの選手だが、逆足でも精度の高いキックを蹴れる。空中戦にも強く22歳と若い。左SBで起用してもいいし、CB起用も悪くない。吉田麻也が今後代表での活動を続けるかは明らかになっておらず、もし引退となれば瀬古らにチャンスが回ってくるだろう。

GKでいえば中村航輔の代表復帰が待ち遠しい。前回のW杯・ロシア大会のメンバーに選ばれたが、今回は落選となってしまった。それでも所属するポルティモネンセでは守護神の座を獲得しており、今後選ばれることになっても不思議ではない。セービングに定評のある選手で、復帰となるのか。

他にもドイツに渡ったチェイス・アンリやレアル・マドリードの下部組織でプレイする中井卓大など期待できる若手は大勢いる。W杯後の選手選考はフラットな状態になるはずで、どんな23人、もしくは26人が選ばれるのだろうか(データは『SofaScore』より)。

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