「ギリシャから徒歩でも向かう」 “10年間”フランス代表から離れているのにW杯を諦めていない者がいた

オリンピアコスでプレイするエムヴィラ photo/Getty Images

最後の出場はEURO2012

今に始まったことではないが、フランス代表の選手層は強烈だ。長く代表の座を維持するのは極めて難しく、一瞬で後輩に追い抜かされるケースも珍しくない。

EURO2012の出場から10年。今もフランス代表入りへの野心を捨てていないのは、ギリシャのオリンピアコスでプレイする32歳のMFヤン・エムヴィラだ。

エムヴィラは20歳だった2010年にローラン・ブランより初招集を受けてデビュー。当時はフランス国内のレンヌで活躍しており、その後インテルでもプレイした経験を持っている。当時は期待の守備的MFだったのだ。
その後も2年間は代表の座を守り、EURO2012ではベスト8のスペイン戦にも先発。中盤にはヨアン・キャバイェやフローラン・マルダ、サミル・ナスリといった選手たちがいた。

しかし、0-2で敗れたこのスペイン戦を最後にエムヴィラは代表から声がかからなくなった。当時はまだ22歳と若かったが、代表キャップは22試合でストップしてしまったのだ。

その後はクラブでも目立った成績を残せなかったが、エムヴィラは10年経った今も代表入りへの希望を捨てていない。

「代表に戻れると信じている。フランスのシャツに袖を通すのは誇りだ。代表キャップ22試合は僕にプレイへの欲求を与えてくれる。僕はフランスにとても愛着があり、最善を尽くす準備がある。ギリシャから徒歩でも来るよ。今でもワールドカップに出場できると信じている」(仏『L'Equipe』より)。

現在のフランス代表ではエンゴロ・カンテ、ポール・ポグバなど中盤に怪我人が出ているが、若手ではオーレリアン・チュアメニやエドゥアルド・カマヴィンガといった逸材が出てきている。ギリシャでプレイしているエムヴィラに声がかかる確率は極めて低いと言えるが、エムヴィラもカタール大会へミラクルを望んでいる選手の1人なのだ。

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