エヴァートンはいったいどこまで落ちる ベニテスとランパードを逆にすれば良かったとの声も……

途中就任は経験の浅いランパードには難しい仕事 photo/Getty Images

開幕からすべてが噛み合わぬ

なぜエヴァートンはここまで落ちたのか。なかなか浮上のきっかけが掴めぬまま、気付けば17位まで落ちてしまった。

さらに20日にはFA杯・準々決勝でクリスタル・パレスに0-4のスコアで敗北。今は何よりもプレミア残留が最優先のため、国内カップ戦の結果に一喜一憂している場合ではない。とはいえ、中堅クラブのクリスタル・パレスに4点も奪われて負けるのはショックが大きい。この敗北が次のリーグ戦に影響しないことを願うばかりだ。

改めて今季のエヴァートンを振り返ると、やはり途中で解任された指揮官ラファエル・ベニテス招聘の部分にメスを入れなければならない。ベニテスは昨夏退任したカルロ・アンチェロッティに代わってエヴァートンへやってきたが、結果は7勝5分10敗に終わってしまった。この招聘は大失敗だ。
アンチェロッティの下ではコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスを獲得するなど積極的な攻撃スタイルを志向していたが、ベニテスはそこまで攻撃的な指揮官ではない。現在はフランク・ランパードが指揮しているが、英『FourFourTwo』はベニテスとランパードの順番が逆の方が良かったのではないかと主張している。

ランパードはまだ経験の浅い青年指揮官であり、残留争いにも慣れていない。シーズン途中からチームを立て直す術を理解しているかは微妙なところがある。古巣チェルシーを指揮した際には攻撃的な姿勢を見せていたため、今季開幕からランパードに任せていた方が面白かったかもしれない。

一方でベニテスは様々なクラブの経験があり、クラブの良い時も悪い時も知っている人物だ。シーズン途中から降格回避を目指すミッションにもある程度は対応できたはずで、攻撃的なサッカーを目指すならベニテスとランパードの順が逆の方が面白いとの見方も納得できるものがある。

また、ハメスの退団も誤算だろう。今冬には慌ててMFデル・アリ、ドニー・ファン・デ・ベークを加えたが、チームには司令塔となる選手がいない。デル・アリとファン・デ・ベークはエリア内に顔を出すことを得意とするMFで、彼らに高精度のボールを送る選手が欲しい。

ハメスの退団に加え、ポルトガル代表MFアンドレ・ゴメスも負傷が目立つ。チームは創造性を欠いており、攻撃陣を十分に活かすことができていない。

もうそんなことを悔やんでいる状況ではないが、何とか残留を勝ち取れるのか。選手層を考えても、本来降格するようなクラブではない。

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