10年で“8億2300万ユーロ”も売却益を手に ミリトン、ハメス、ディアスらポルト流補強術

今冬にはディアスがリヴァプールへ photo/Getty Images

安価で獲得して高値で売却のスタイルは当たり続ける

30日、今冬の市場でも注目を集めていたFCポルト所属のコロンビア代表FWルイス・ディアスのリヴァプール移籍が発表された。

リヴァプールがディアス獲得に支払った移籍金は4500万ユーロとされているが、やはりポルトガルのクラブはビジネス上手だ。ポルトは2019年にディアスをコロンビアのジュニオールFCから700万ユーロで獲得しており、それが2年半後に4500万ユーロで売却されることになったのだから凄い。これはポルトやベンフィカ、スポルティング・リスボンといったポルトガルのクラブが続けてきたスタイルである。

オランダのアヤックスやPSVも育成上手として有名だが、ポルトガルの場合はまだ世界的にメジャーとなっていない若手選手の素質を見抜くのが上手い。安価で獲得し、2、3年後に高値で売却するスタイルを上手く続けているのだ。

今はレアルでプレイするミリトンは2019年に売却 photo/Getty Images

過去10年の市場での動きも見事

移籍情報サイト『Transfermarkt』によれば、ポルトは過去10年で実に8億2300万ユーロもの売却益を手にしている。

例えば2019年にはブラジル代表DFエデル・ミリトンをレアル・マドリードへ5000万ユーロで売却しているが、ミリトンも今回のディアスに近い取引だった。同サイトのデータによれば、ポルトがサンパウロからミリトン獲得に支払った移籍金は700万ユーロで、それを5000万ユーロで売却できたのは大きい。

他にも、2011年にベルギーのスタンダール・リエージュから675万ユーロで加えたDFエリアキム・マンガラを2014年にマンチェスター・シティへ4500万ユーロで売却。2010年にアルゼンチンのバンフィエルドから735万ユーロで獲得したMFハメス・ロドリゲスを2013年にフランスのモナコへ同じく4500万ユーロで売却。

2008年に東京ヴェルディから1900万ユーロで獲得したFWフッキは、2012年に4000万ユーロでロシアのゼニトへ売却。1900万ユーロは少しばかり高額に感じるが、売却した際の移籍金を考えれば妥当な数字か

今後もポルトやベンフィカといったポルトガルの強豪は同じ路線を継続するはずで、彼らのスカウト力は見事と言うしかない。今回リヴァプールへ移籍したディアスも理想通りのステップアップとなったはずで、25歳で5大リーグを代表するビッグクラブへ加入できたとなれば文句なしだろう。あとはリヴァプールで結果を残すのみだが、4500万ユーロの価値を見せつけられるだろうか。

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