10万ユーロの市場価値が7年後に“6000万ユーロ”へ 細身な魔術師が歩んだ軌跡

マンCの主力にまで成長したマフレズ photo/Getty Images

ここまでの選手になると誰が予想したのか

現在行われているアフリカ・ネイションズカップ2021に前回大会王者として臨んでいるアルジェリア代表。今大会はここまで1分1敗と苦戦しているが、それでも今やアフリカを代表する強豪の1つと数えられるようになったチームだ。

今のアルジェリアは同国にとって黄金世代と呼べるが、その世代に欠かせない左の魔術師こそマンチェスター・シティ所属MFリヤド・マフレズだ。

幼い頃のマフレズを知っていた者は、まさかマンCでプレイするような選手に成長するなど予想していなかったのではないか。今もそれほど見た目に変化はないが、故郷のAASサルセルでキャリアを始めた当時のマフレズは体の線が細すぎるとの指摘を受けていたからだ。仏『Foot Mercato』も早くから壁にぶつかったと取り上げているが、マフレズのフィジカルではプロで戦えないと考える人が多かったのだろう。
キャリアが本格的に動き出したのは2010年にフランスのル・アーヴルと契約を結んだところからだが、2011年時点では移籍情報サイト『Transfermarkt』の市場価値はたった10万ユーロだった。

2014年にはマフレズの才能に目をつけたレスター・シティが50万ユーロで獲得するわけだが、今振り返ってもレスターの目利きは見事と言うしかない。当時イングランド2部に所属していたレスターはマフレズの才能に確信があったのか、この補強は大ヒットした。2015-16シーズンにはジェイミー・バーディやエンゴロ・カンテらと奇跡のプレミアリーグ制覇を達成することになり、マフレズは一躍スター選手になった。

今は4000万ユーロの市場価値となっているが、2018年には6000万ユーロとなっていた。10万ユーロだった細身のテクニシャンが7年後に6000万ユーロと評価されるなど誰が予想しただろう。

アルジェリア代表でも主役となり、2019年にはアフリカ・ネイションズカップ制覇も経験した。もはやマフレズがアルジェリア史上最高の選手の1人なのは間違いなく、同メディアも「サルセルの若者だったマフレズのストーリーは信じられない」とその軌跡に驚いている。

近年はフィジカルが重要視される風潮もあるが、それがすべてではない。マフレズのように華奢なアタッカーでも、圧倒的なテクニックがあればトップレベルでも戦えるということなのだろう。

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