町田で“10G10A”を記録した男がマリノスに帰還 J2で無双したMF吉尾海夏の挑戦

町田で大きく成長した吉尾 photo/Getty Images

ポジジョン争いは熾烈を極める

鹿島アントラーズから永戸勝也、ベガルタ仙台から西村拓真、徳島ヴォルティスから藤田譲瑠チマ、セレッソ大阪から小池裕太を獲得した横浜F・マリノス。早くも積極補強が見られており、来季のJリーグタイトル奪還に期待したい。

そんなマリノスだが、昨季はローンで他クラブに移籍していた選手も戻ってきている。その中でも特に気になるのは町田ゼルビアで武者修行していたMF吉尾海夏(23)だ。

マリノスの下部組織で育ち、その後は仙台や町田で経験を積んでいた吉尾。2020年シーズンには町田で信頼を勝ち取ると、31試合に出場している。2021年シーズンも引き続き町田でプレイし、チームトップとなる10ゴール10アシストの素晴らしい記録を残した。そういった背景もあり、2022年シーズンからは念願のトップチーム復帰が決まっている。

利き足である左から正確なパスを供給することでチャンスを生み出す吉尾。右サイドの外側のポジジョンでボールを持つことが多く、カットインから攻撃を活性化させている。パスを出す司令塔的の役割もこなせるが、自身が裏へ抜けるような使われる役にも回ることができ、プレイのバリエーションが広い器用な選手である。また、町田時代にはセルビア出身の指揮官であるランコ・ポポヴィッチに組織的な守備を仕込まれており、マリノスでも後れを取ることはないだろう。

マリノスで起用されるとすれば、トップ下、もしくは右サイドでピッチに立つことになる。ライバルとなるのはマルコス・ジュニオールやエウベルといったブラジルコンビや、昨季の終盤に調子を取り戻した仲川輝人もいる。スタメン争いは熾烈を極めるが、町田で築いた彼のスタイルがJ1でどこまで通用するのか楽しみだ。

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