放出候補から欠かせない選手に マンCでアンタッチャブルな存在となった超攻撃的SB

ジンチェンコの追随を許さないほどの高いパフォーマンスを披露するカンセロ photo/Getty Images

逆足でここまで評価される選手も少ない

シーズンの序盤戦が終わり、冬の移籍市場が近づいてきた。今夏の移籍市場は昨季と比べ、動きが非常に活発であり、多くの選手が移籍している。今冬も同様に移籍が盛んとなるか。

なかでもプレミア王者のマンチェスター・シティは放出報道の噂が多いクラブの一つだ。どうしても代表級の選手が揃えば、今季のラヒーム・スターリングのように出場機会を失ってしまう選手が出てきてしまい、放出の話が盛んに報じられることになる。スターリングもバルセロナ行きが報じられている。

今季素晴らしい活躍を見せているジョアン・カンセロも、以前まではスターリングと似た状況にあった。

イタリアの強豪ユヴェントスからダニーロとのトレードでやってきたポルトガル代表DF。元ウインガーということもあり攻撃的なサイドバックとしてチームに加入したが、右SBはカイル・ウォーカーが不動であり、攻撃面で不安定なカンセロではポジジョンを奪うのが難しい相手であった。昨季は偽SBシステムの通称「カンセロ・ロール」で輝き、一時はウォーカーからポジションを奪うも結局は取り返され、昨季終盤はベンチを温めている。その影響から今夏の移籍市場では売却が盛んに報じられており、サイドバックが手薄でなければ現実となった可能性はある。

そんなカンセロにとって転機となったのはEURO2020での離脱だろう。昨季調子を落としていたとはいえ代表に選ばれていたが、新型コロナウイルスの影響からメンバーを外され、参加していない。その代わりマンCではプレシーズンマッチからチームに合流し、アカデミーの選手たちとトレーニングを行っていた。また、ライバルであったオレクサンドル・ジンチェンコはEUROに出場したことでコンディションを落としており、オフシーズンでしっかり休養を取れた差が出たか。そこでチャンスを貰ったカンセロは指揮官であるペップへのアピールに成功し、今の立ち位置を築き上げた。

移籍後はなかなか自身の居場所を作ることができていなかったポルトガル代表。今季はその突出した攻撃センスに2ゴール3アシストの数字もついてきており、今後も左SBでは不動の存在となるだろう。

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