ディバラ、アルトゥールに仕事させず セリエAで輝く“マンツーマン守備集団”がまたも強豪狩り

3バックの一角としてユヴェントス戦に出場したカザーレ。ヴェローナの先制ゴールは、彼の攻め上がりから生まれた photo/Getty Images

ユヴェントスの攻撃を封殺

今年6月に赴任したエウゼビオ・ディ・フランチェスコ前監督のもとでセリエA開幕3連敗を喫し、指揮官交代に踏み切ったエラス・ヴェローナ。

イゴール・トゥドール現監督の初陣となった同リーグ第4節のローマ戦で3-2の勝利を収め、第9節でラツィオを4-1で粉砕した同クラブが、30日の第11節でユヴェントスをも苦しめた。

パウロ・ディバラとアルバロ・モラタを2トップに、アルトゥールとロドリゴ・ベンタンクールを2ボランチに据えた[4-4-2]の布陣のユヴェントスに対し、ヴェローナは[3-4-2-1]の陣形で応戦。
2ボランチの一角、アドリアン・タメゼがアルトゥールを、左センターバックのニコロ・カザーレがディバラをマンツーマンディフェンスで捕捉したため、ユヴェントスの攻撃が機能不全に。

アルトゥールが最終ライン付近に降りてパスを散らそうとしたものの、タメゼが睨みをきかせたことで、ユヴェントスは同選手経由のビルドアップができず。相手最終ラインと中盤の間や、センターサークル付近でボールを受けようとしたディバラも、カザーレの追跡を振り切れずに何度も潰された。

カザーレ(16番)のマークに晒されたディバラは、輝きを放てず photo/Getty Images

ユリッチ元監督の戦術が、今でも活かされている

ユヴェントスのパスワークを停滞させたヴェローナは、10分にディバラからボールを奪ったカザーレが攻め上がり、カウンターを発動。アントニン・バラークのシュートは相手GKヴォイチェフ・シュチェスニーに防がれたが、こぼれ球を1トップのジョバンニ・シメオネが押し込んだ。

14分にもシメオネが強烈なミドルシュートを突き刺し、リードを2点に広げたヴェローナの守備は、カザーレとタメゼが交代を命じられて以降も大崩れせず。ユヴェントスの反撃を、ダニーロの縦パスに反応した途中出場のMFウェストン・マッケニーによる1点に抑え、最終スコア2-1で勝利した。

昨季限りで退任したイヴァン・ユリッチ元監督(現.トリノ)のもとで、マンツーマン主体の守備を磨き上げてきたヴェローナ。

ディ・フランチェスコ前監督が指揮を執った第2節でも、全フィールドプレイヤーによるマンツーマンディフェンスでインテルのビルドアップを手詰まりにさせたほか、第8節でも2点リードでハーフタイムを迎え、ミランを慌てさせるなど、イタリア国内の強豪クラブと対等に渡り合っている。

ユリッチ監督が去って以降も、持ち前のマンツーマン主体の守備が健在のヴェローナが、またしても強豪狩りに成功した。

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