赤い悪魔に新たなドリブラーが誕生 今後はドクがベルギーのシンボルとなる?

ドリブルでイタリアをかく乱したドク photo/Getty Images

まだ19歳の選手だ

ベスト16でポルトガルを退け、優勝候補に名乗り出たベルギー代表。前述したポルトガル戦で負傷したエデン・アザールは間に合わなかったが、ケビン・デ・ブライネは無事に復帰し、イタリア戦を迎えた。ここで勝利を挙げられれば、優勝へと近づく大きな一歩となったが、惜しくも1-2での敗戦となった。

その中でもイタリア相手に奮闘し、アザールの不在を感じさせない活躍を見せたのはFWジェレミ―・ドクだ。

この日はベルギーが敷く[3-4-3]の前線での出番となったドク。自身の武器である緩急をつけたドリブルから敵陣をかき乱していた。特にイタリアの右サイドバックであるジョバンニ・ディ・ロレンツォとの一対一は非常に見ものであり、素晴らしい攻防戦が行われていた。データサイト『WhoScored.com』によればイタリア戦でのドクのドリブル成功回数は8回となっている。得点につながった場面ではドクの素晴らしい加速からPKを獲得しており、あの場面であればドクの勝利だと言える。

また、ドクのドリブルは縦だけでなく、中央への突破もあり、敵陣でスペースを作る役割も兼ね備えている。これによってベルギー側の攻撃により厚みが生まれることとなり、一時は攻勢を強めるシーンも見られた。ベンチにはドクよりも経験が豊富なドリース・メルテンスやヤニック・フェレイラ・カラスコらがいたが、指揮官であるロベルト・マルティネスがドクを使った理由は、この敵陣をかき乱せるドリブルにあると言える。

まだ19歳と若いが、確実に今季知名度を上げた一人であるドク。現在はフランスのレンヌに所属しているが、今夏でのステップアップはあるのか。

しかし、来年のワールドカップ・カタール大会を見据えるのであれば、今季は出場機会を確実に得られるチームでコンディションを調整するのがベストだろう。

ベルギーの3大エースであるアザールも今大会はパッとしておらず、ルカクも過去に今大会での代表引退を語ったことがあるため、どうなるかわからない。今後はドクがベルギーを引っ張る存在となるだろう。

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