残された一つの交代枠 ベルナルド・シウバはなぜベンチを温めることになったのか

今季ペップのもとで重要なピースとなっているベルナルド・シウバだが、ダービーでの出番はなかった photo/Getty Images

公式戦連勝記録は22でストップに

プレミアリーグ第27節、マンチェスターダービーは0-2とアウェイのマンチェスター・ユナイテッドが勝利。マンチェスター・シティは開始早々PKによるビハインドを負ったが、時計が進むにつれてボールを保持するいつもの形に戻った。そこからは押し込む展開になり、ボールを失えば安定した守備陣がカウンターを阻止。近年では無かった守備の安定に勝利の期待は大きくなったが、攻撃が行き詰まり白星を挙げることはできなかった。

マンCの守備はリーダーシップを持った新戦力の加入と、既存戦力の覚醒も相まってリーグ最少失点を誇り、安定している。この試合でも2失点を喫したものの総じて安定しており、穴となる選手はいなかった。少ないチャンスをものにした、マンチェスター・ユナイテッドの決定力を褒めるしかない。

この試合で問題となったのは攻撃の方だ。守備とは裏腹にマンチェスター・ユナイテッドの堅い守備組織に苦戦し、無得点に終わってしまった。
交代策として後半65分にカイル・ウォーカーが、続く70分にはフィル・フォデンが投入されるが、ここからペップ・グアルディオラ監督は動かない。この時点でベンチにはセルヒオ・アグエロやベルナルド・シウバといった局面を打開できる選手がおり、交代も十分に考えられたが、彼らがピッチに立つことはなかった。

確かに復帰まもないアグエロに関しては、コンディションを考慮すれば使わなかったのも納得だ。しかし、ベルナルド・シウバはどうだろう。ここまで20試合に出場しており、彼のアジリティを生かした突破は、膠着した局面を打開する手段としては有効に思える。先発に関しても、ここ6試合中5試合でスタメンを張っているだけに、この大一番で見たい選手であったことは間違いない。また、彼のプレイエリアは右であることから、左に偏りの見られた攻撃を改善するためにも有効であると考えられた。しかし、ペップは最後まで交代枠を残したまま、ダービーを終えることになった。

コンディションが上がり切っていないデ・ブライネと交代するという策はなかったのだろうか。ギュンドアンが得点を重ねていた時期のパートナーはベルナルド・シウバだ。シウバのプレイエリアが右ということもあり、ギュンドアンとは重ならない、外と中の両方を使うことでスペースが生み出されるなど、彼の投入にポジティブな要素は多い。

結果は完封負けに終わり、連勝記録が止まるなど、チームにとってネガティブな試合となった。チャンピオンズリーグ、FA杯、カラバオ杯と4つのコンペティションを残すマンC。シウバの温存はスケジュールを見越してのものだったかもしれないが、今回は裏目に出てしまった。ターンオーバーは間違いなく必要だが、最適な選手の起用にこれからもペップは頭を悩ませることになりそうだ。

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