プレッシャーから解き放たれた“カカー2世” ミランでの苦境を経てリヨンで再起

フランスで輝きを取り戻しつつあるパケタ(右)photo/Getty Images

直近5試合で3G1Aの大活躍

双肩にかかる周囲からの大きな期待やプレッシャーといった重荷は、時に人を大きく狂わせてしまう。それは一流サッカー選手といえども、例外ではない。

かつて“カカー2世”と期待され、セレソンの10番も身につけたことがあるブラジル代表MFルーカス・パケタ。2019年にイタリアの名門ACミランへ加入し、低迷しているチームの復権を任されるも、うまく新天地に適応することができない。なかなかピッチで違いを生み出すことができず、1年半で公式戦44試合に出場してわずか1ゴール3アシストにとどまり、昨夏にフランスのリヨンへ移籍することとなった。彼に対して、失望の念を抱いているミラン・ファンも少なくないのではないだろうか。

しかし、パケタにとってはこの移籍が大きな転機に。“カカー2世”と呼ばれていたことに加えて、加入した際の年齢も当時のカカーとほぼ同じということもあり、ミランではチームを欧州制覇へと導いた大先輩と常に比較されてきた。そのプレッシャーたるや、常人では考えられないほど大きいものだっただろう。しかし、リヨンではそういったことがほとんどない。その結果、フランスの地でプレッシャーから解き放たれたパケタは、再び輝きを取り戻しつつあるのだ。

3日に行われたレンヌ戦では出場停止により欠場したが、出場した直近5試合では3ゴール1アシストの大活躍。また、最近は第23節ディジョン戦(5回)や第24節ストラスブール戦(3回)でチーム最多となるのタックル数を記録するなど、守備への意識も非常に高くなった。そのため、ミラン時代には苦手なイメージのあったボランチで起用されることも増えており、今やリヨンで欠かせない選手のひとりとなっている。

実際、パケタも仏『L’EQUIPE』のインタビューで、ミラン時代のプレッシャーに関して「ミランでは、自分に大きなプレッシャーをかけてしまっていた。あまりにも大きなプレッシャーをね。だから、ここリヨンへ来たときは、あまりたくさんのプレッシャーを抱えてはいけないと自分にい言い聞かせたよ」や「僕は自分自身の責任をわかっていたし、なぜそこにいたのかも理解していた。でも、物事は必ずしも期待通りに進むとは限らない。そうなると、みんなは様々なことを想像し、プレッシャーをかけてくる。説明できないけど、時には失敗の理由さえ見つからないこともある。ミランでの経験は予想していたよりも短く、大きな活躍はできなかったけど、この経験が大いに役に立っている」などと話していた。

パケタは現在23歳とまだまだ若く、将来の可能性は大いに秘めている。今後のステップアップも十分ありえるだろう。フランスの地で再スタートを切ったブラジルの逸材の復活劇に期待したい。

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