レアルで“ヤングスター”が育たない ジダンの下で伸び悩む逸材たち

レアルで数多くの成功を収めてきたジダン photo/Getty Images

将来の銀河系軍団はどうなる

ジネディーヌ・ジダンの下でチャンピオンズリーグを3連覇した時のレアル・マドリードでは、強力すぎる「Bチーム」の存在が注目を集めた。ジダンは主力組とサブ組を巧みにローテーションさせ、クリスティアーノ・ロナウドら主力の疲労を軽減しながら欧州の頂点を守り抜いてきた。2016-17シーズンにはリーガ・エスパニョーラとチャンピオンズリーグの両方を制しており、これもローテーションが機能したからだ。

しかし、今のレアルには信頼できるBチームが存在しない。リーグ戦でも早々に躓き、今季はチャンピオンズリーグの方でもグループステージ敗退の危機があった。ローテーションをするほどの余裕はなく、ジダンもサブ組を100%信頼出来ていないはずだ。

特に気になるのは若手の育成だ。レアル・ソシエダへのレンタル移籍から戻ってきたMFマルティン・ウーデゴーは出番が限られており、ブラジル期待の若手FWヴィニシウス・ジュニオールとロドリゴ・ゴエスは思うように伸びていない。

レアルでは結果を残せなかったヨビッチ photo/Getty Images

今の若手が中心になる日はくるのか

また、今冬には23歳のFWルカ・ヨビッチがレンタルの形でフランクフルトへ復帰。ヨビッチは復帰後初出場となった17日のシャルケ戦でいきなり2得点を挙げており、やはり得点力は高い。ヨビッチはカリム・ベンゼマに次ぐ2番手FWと考えられていたが、能力を引き出せなかったジダンにも責任があるのではないか。

理想としてはベンゼマやMFルカ・モドリッチ、DFセルヒオ・ラモスなど30代に入っているベテラン選手たちを軸に戦いを進めながら、ウーデゴーやヴィニシウスら若手がサブ組としてレベルアップ。そして2、3シーズン後に若手が主力となっていく。これが理想的な流れだが、ジダンの下で若手の育成は進んでいない。

しかも今季はMF久保建英、レイニエル・ジェズスといったレンタル組も苦労している。レアルの世代交代はストップしている状態で、また今年の夏にでも大盤振る舞いをしなければチーム力をアップ出来ないだろう。

それだけ今のレアルを支えるベテラン組が優秀とも言えるのだが、レアルが取り組んできた若手補強路線はいつ花開くのか。

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