今夏アーセナルに加入したFWヴィクトル・ギェケレシュは、プレミアリーグでもゴールを量産できるだろうか。スポルティングCPでは102試合で97ゴール28アシストと圧倒的な成績を残しており、ポルトガル国内のライバルたちにとってはあまりに厄介なストライカーだった。
英『The Guardian』はギェケレシュがポルトガルのクラブからどれだけ恐れられていたのか特集しているが、例えば昨季までモレイレンセでプレイしたGKケビン・シルバは良い思い出がないと次のように振り返っている。
「彼に対しての思い出は良くないものだね。対戦したほとんどのゲームでゴールを決められたから。彼のクオリティは十分に理解していたし、彼が抜け出してきた際のカバーにはチーム全体で慎重になっていた。しかし、結局は彼の動きを遅らせるためにファウルをしないといけないことが多かった」
「とある対戦では、彼がペナルティエリアに侵入して我々のDFを1人かわし、つま先でシュートを打ってきたことを覚えている。強烈だったけど、何とかセーブはできた。彼は完璧な選手で、どこからでもフィニッシュできるんだよ」
昨季ブラガの指揮官を務めたカルロス・カルバハルは、ギェケレシュ対策として左サイドをケアすべしと語る。
「彼は中央から左サイドへ流れる動きを得意としている。それを阻止すべく、私のチームは右サイド、つまり相手から見て左サイドのバランスを保つよう意識していた。スポルティングはギェケレシュへスペースを作るために我々の右SBを引っ張り出そうとしていたが、それに付き合わないようトレーニングした。そうすることでギェケレシュは常に我々の右SBと対峙することになり、その結果彼に決定機を与えずに済んだ」
「彼はクロスボールにも強い選手だから、クロスを上げられる際にはDF4枚を可能な限り接近させてスペースを与えないようにもしていた。これも上手くいったよ」
ギェケレシュ対策として必須となるのは、複数人での対応となりそうだ。昨季までジル・ヴィセンテでプレイしたDFルベン・フェルナンデスは、プレミアのDFへのアドバイスとして次のようにコメントしている。
「プレミアの選手たちはフィジカルも強いし、パワー勝負には慣れているだろう。彼らにアドバイスか。決してギェケレシュに1人で対応するのではなく、常に周りに選手を配置することだ」
果たしてプレミアのDFたちはギェケレシュを抑え込めるだろうか。スポルティングCPで証明済みの得点力に加え、189cmとサイズもある。もちろんアーセナルの脅威はギェケレシュ1人だけではないため、相手守備陣は新生・アーセナル攻撃陣にかなり手を焼くことになるだろう。