ルカクに次ぐ“No.2”の座に復活すべし 30歳の大型FWに見える希望の光

クリスタル・パレスで存在感増すベンテケ photo/Getty Images

悔しい直近3シーズンからの復活を

今でこそベルギー代表のセンターフォワードはインテルに所属するFWロメル・ルカクで固定されているが、2014ブラジルワールドカップへ向けて準備を進めていた頃はルカクと互角の争いを見せる男がいた。

現在クリスタル・パレスでプレイするFWクリスティアン・ベンテケだ。残念ながらアキレス腱を断裂する大怪我を負って2014ワールドカップを欠場したが、当時のベンテケは非常に高い評価を得ていた。

さらに不運だったのは2015-16シーズンに移籍したリヴァプールで思うようにフィットせず、厳しいシーズンを過ごすことになったことだ。そこから評価が落ちてしまい、2018ロシアワールドカップにも出場はしなかった。
すっかりベルギーの主役はルカクとなったわけだが、30歳を迎えたベンテケもまだトップレベルで戦える選手だ。ここ数シーズンは苦戦していたものの、復活への希望の光は見えてきている。

ザハとのコンビも悪くない photo/Getty Images

ベルギー代表でルカクのバックアッパーに

何より今季のクリスタル・パレスはベンテケの周りに極めて優秀なアタッカーが揃っている。前線でコンビを組むFWウィルフリード・ザハはすでにリーグ戦で7得点2アシストと爆発しており、ワイドな位置にはレフティーの仕掛け屋アンドロス・タウンゼント、ジェフリー・シュルップ、QPRから加わったドリブラーのエベレチ・エゼ、さらにはジョルダン・アイェウも控えている。

中堅クラブとは思えぬほど魅力的なアタッカーを複数抱えている今のクリスタル・パレスは非常に危険だ。エゼやタウンゼントがワイドな位置から仕掛けるプレイに加え、190cmの高さを誇るベンテケに放り込むところから強引にチャンスを作るパターンもある。

ベンテケの高さとパワーを活かしたポストプレイも一定の評価を得ており、直近3試合では先発出場を任された。開幕当初は途中出場がメインだったが、ベンテケがセンターフォワード1番手の地位を確保しつつある。この3試合では3得点を挙げるなどアピールにも成功しており、30歳のタイミングでもう1度輝きを放つ時がきた。

昨季のベンテケは24試合で2得点、2018-19シーズンは16試合で1得点、2017-18シーズンは31試合で3得点と、ベンテケはなかなか結果を出せなかった。今季は早くも9試合の出場で2017-18シーズンの数字に並んだことになり、かなり快調なスタートだ。目指すは2016-17シーズンに記録したリーグ戦15得点で、プレミアで二桁得点を奪うことが出来ればベルギー国内での評価も変わってくるだろう。

昨年にはEURO2020予選を戦う代表にも召集され、3試合に出場した。来夏のEURO本大会へ足場を固めていきたいところで、ルカクのバックアッパーに復活したベンテケがいればベルギーの攻撃力はさらに強力なものとなる。

1得点を挙げた16日のウェストハム戦で退場処分を受けてしまうなど不用意なところもあるが、それでも今季こそ完全復活へのチャンスだ。クリスタル・パレスを上位に導こうと奮闘するベンテケの戦いに注目してみるのも面白いだろう。

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