“失敗補強”と呼ばれた男の逆襲劇 マンUで奮闘する小柄な中盤戦士

今季マンUで躍動しているフレッジ photo/Getty Images

寄せられる称賛の言葉

ブラジル産の小柄な中盤戦士にとって、マンチェスター・ユナイテッド移籍初年度となった昨季は決して順調な1年とは言えなかった。しかし、今季の彼はオーレ・グンナー・スールシャール監督が辛抱強く出場機会を与えたことによって、じわりじわりと評価を上げてきている。MFフレッジのことだ。

2018年夏にシャフタールから移籍金5200万ポンド(当時のレートで約76億円)でマンUに加入したフレッジ。当初はその高額な移籍金もあって、活躍できなかった初年度には“失敗補強”の烙印を押された。しかし、今季に入ってフレッジはその汚名を返上しつつある。スールシャール監督からコンスタントに出場機会を与えられると、彼は中盤のダイナモとしてピッチを重要無尽に駆け回り、攻撃のスイッチを入れる役から守備のフィルター役までこなす万能戦士に変貌を遂げたのだ。身長は169cmと小柄だが、今ではその背中もだいぶ大きく見える。

そんな昨季の鬱憤を晴らすかのように逆襲劇を披露するフレッジのパフォーマンスには、クラブOBのピーター・シュマイケル氏も大満足のようだ。『CNN Sport』のインタビューに対して、同氏はこの中盤戦士に対して次のように称賛の言葉を寄せている。
「個人的な意見だが、私はフレッジが今季ユナイテッドの残している成績にかなり貢献していると思っているよ。彼は常にチームにとってピッタリな存在だった。プレイタイムを与えられ、その時間が長くなるにつれて自信も持てるようになったみたいだね。彼の活躍は今季のユナイテッドにおける最も素晴らしいストーリーの一つだよ。だけど、彼に自信を持たせたのはオーレの力によるところも大きいかな。もちろん、フレッジ自身の頑張りもあるけどね」

今季序盤戦はかなりの苦戦を強いられたマンUだが、現時点でチャンピオンズリーグ出場圏内まで3ポイント差に迫ることができているのはフレッジの活躍によるところも大きいとシュマイケル氏は見ている。リーグ戦中断前の11戦無敗に貢献しただけに、多くのファンも同じことを思っているか。

再開後はポール・ポグバが戦列に復帰する予定となっており、マンUの中盤におけるポジション争いはさらに白熱したものとなるだろう。しかし、2年目の復活を遂げた小柄な中盤戦士もそう簡単にポジションを譲る気はないはず。フレッジの活躍には今後も注目だ。

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