シャビ・アロンソ監督が就任した今季はラ・リーガで首位に位置するレアル・マドリードだが、昨季は無冠。その理由として、カルロ・アンチェロッティ前監督はブラジル代表DFエデル・ミリトンやスペイン代表DFダニエル・カルバハルなど、最終ラインの選手が相次いで負傷離脱したことだと語っていた。
そのため、フランス代表MFオーレリアン・チュアメニは本職ではないセンターバックでプレイする機会が増加。しかし、不安定なパフォーマンスは、高いレベルでのプレイを要求するマドリディスタからの批判の的となり、本拠地サンティアゴ・ベルナベウではブーイングを受けることもあった。
新体制では、負傷離脱するまではピボーテとして全試合に出場するなど、絶対的な地位を確立していたチュアメニは、フランス『L'Équipe』のインタビューで自身へのブーイングについて言及し、その経験が自身を成長させたと語っている。
「まず思い出してほしいのは、(2-5で敗れたスーペル・コパの)クラシコでは本職ではないセンターバックとしてプレイしていたこと。試合が終わったとき、自分が良くなかったのは分かっていた。すぐに、自分が戦犯のひとりとして扱われていると感じたよ。そして、セルタ戦の前日に自分に言ったんだ。『明日ベルナベウでどう迎えられるか見てみよう』と。ウォーミングアップでは何も起こらなかった。その試合では本職の中盤でプレイしていたから、自信は結構あった」
「キックオフして、ボールを受けた瞬間にブーイングが始まった。テレビでは分からないかもしれないけど、僕の頭の中では『これって僕に向けたもの?』と思ったよ。そのあとルーカス・バスケスにもブーイングがあった。そこで『なるほど、ルーカスと俺か』と思ったね」
「ボールを3回、4回受けても、そのたびにブーイング。でも選択肢は2つしかない。沈むか、自分のプレイをして、良いプレイを少しずつ積み重ねてブーイングを消していくか。あの日、僕は本当に素晴らしい試合をした。まず良いプレイが1つ、次に2つと続いて、最後には消えていった。いま思えば、あの瞬間は自分のキャリアにおけるターニングポイントだったと確信している。あのおかげで一段階成長できた」