今夏の欧州ワースト移籍は!? 1位となったのは未だ1分も出場のない103億円FW

昨季は19ゴールを記録したウィッサ Photo/Getty Images

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膝の怪我から回復できないウィッサ

FIFAによると、今夏、世界中のクラブが約1万2000人の選手たちの獲得に97億6000万ドルを費やし、これはどちらも過去最高の数字だったという。支出の大半はUEFAの加盟クラブ、つまり欧州のクラブであり、総額は85億ドル、前年比で約30億ドル増加しているそうだ。

例年になく活発だった移籍市場だが、当然ながら獲得した選手がすべて活躍するわけではない。移籍は果たしたものの負傷などで満足に試合に出られないケースも多くみられる。シーズンはまだ3分の2以上が残っているが、『ESPN』はこのタイミングでもっともパフォーマンスが悪かった移籍ワースト10を発表している。

10:ベン・ドーク(2310万ユーロ、リヴァプール→ボーンマス)
9:アルノー・カリムエンド(3000万ユーロ、スタッド・レンヌ→ノッティンガム・フォレスト)
8:ファビオ・シウバ(2250万ユーロ、ウルブズ→ドルトムント)
7:オマリ・ハッチンソン(4000万ユーロ、イプスウィッチ→ノッティンガム・フォレスト)
6:タイラー・ディブリング(4050万ユーロ、サウサンプトン→エヴァートン)
5:ダリオ・エスーゴ(2270万ユーロ、スポルティングCP→チェルシー)
4:アルドン・ヤシャリ(3600万ユーロ、クラブ・ブルージュ→ACミラン)
3:チャラランポス・コストゥラス(3000万ユーロ、オリンピアコス→ブライトン)
2:ジョバンニ・レオーニ(3100万ユーロ、パルマ→リヴァプール)
1:ヨアネ・ウィッサ(5770万ユーロ、ブレントフォード→ニューカッスル)
このようなランキングとなっている。9位のカリムエンド、7位のハッチンソンとN・フォレストの選手がダブルでランクインしているが、3カ月で3度も監督が変わっているチーム事情に振り回されている感もあり、やや不運でもある。しかしこの2名ほかジェイムズ・マカティ、イゴール・ジェズスなどに合計1億5200万ユーロを支払ったものの、彼らの出場時間はプレミアリーグの平均出場時間の26%に過ぎないという。

3位のブライトンのコストゥラスは逸材FWとして獲得されたが、プレミアリーグでわずか32分しかプレイしておらず、シュートもわずか2本しか記録していない。3000万ユーロで獲得されたので、これまでのところシュート1本あたり1500万ユーロのコストがかかっていることになる。

2位のレオーニ、1位のウィッサはともに負傷で稼働率を大きく下げてしまったが、深刻なのはウィッサの方だろう。『ESPN』は、間違いなく夏の移籍の中で最悪だと評し、まだ1分もプレイしていないことに加え、ウィッサがすでに29歳であることを指摘している。2位までの選手は全員24歳以下であり、失われた機会を埋め合わせる時間が十分にある。しかしウィッサには即戦力となることが期待されていた。

しかも、前所属のブレントフォードをなかば強行退団したなかでの移籍であり、本人にとってもこれは計算外だったに違いない。ニューカッスルは勝ち点を伸ばせず現在14位となっており、得点はやはり新加入のニック・ヴォルテマーデ(4得点)に頼っている状況。ここまで11得点と芳しくなく、ウィッサに費やした約103億円が現状無駄になってしまっているのは痛いところだろう。

思わぬ長期離脱でワースト移籍の烙印を押されてしまったウィッサ。ここから自身の価値を証明することはできるだろうか。

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