アメリカとカナダで行われている北中米カリブ王者を決める大会、 CONCACAFゴールドカップの準々決勝が現地時間6月29日に行われ、共催国のカナダがFIFAランク106位のグアテマラに敗れるという波乱があった。
試合は30分にFWジョナサン・デイビッドのPKでカナダが先制するも、前半アディショナルタイムにMFヤコブ・シャッフェルブルフが2枚目のイエローカードを提示され退場。1人少なくなったカナダは69分に失点すると、その後は決着がつかずPK戦へ突入。5人目と7人目のキッカーが失敗し、PKスコア5−6でグアテマラが勝利。カナダはベスト8で敗退となった。
カナダのメディア『SPORTSNET』は「カナダ、グアテマラに衝撃の敗北、絶好のチャンスを逃す」と見出しを打ち、「カナダは今夏のゴールドカップで、多くの評論家から優勝候補の一角とされ優勝が期待されていたが、グアテマラ戦での衝撃的な敗北により、2度目のゴールドカップ優勝の夢は2年後にお預けとなった」と敗退を嘆いた。
「マウリシオ・ポチェッティーノ監督の下でまだ軌道修正中のアメリカと、かつての強豪メキシコ。カナダはこの大会で優勝することで、CONCACAFの絶対的な王者としての地位を確立する絶好のチャンスを得た。しかしカナダは早々に帰国の途についた。ゴールドカップ優勝の渇望を断ち切り、3月のCONCACAFネーションズリーグで3位に終わった悔しい結果のリベンジを果たせなかった。カナダにとって、こんな結末を迎えるべきではなかった。怪我や欠場が続き、シャッフェルブルクが退場したとはいえ、FIFAランキングでカナダより70位下の106位に位置するグアテマラに勝てないという言い訳は通用しない」
今大会のカナダは怪我でDFアルフォンソ・デイヴィス、クラブワールドカップに参加しているMFステファン・エウスタキオの主力2人を欠けるも、ジョナサン・デイヴィッドやMFタジョン・ブキャナンといった欧州で活躍する選手らは出場。第1節のホンジュラス戦は6−0で快勝するが、2節目のキュラソー戦では1−1のドローに終わる。グループを2勝1分で1位突破したが、ノックアウトステージ初戦のこのグアテマラ戦で敗れることとなった。
来年のワールドカップ開催国でもあるカナダ。大会まで1年を切った中、この大会で実力を示し結果を残したかったところだろう。しかし同メディアは「カナダがアメリカ、メキシコと共催する来年のワールドカップを前に、抜本的な改革を行う必要はない。来夏、カナダが国内で競争力を発揮するためには、ジェシー・マーシュ監督が描いた方針を堅持し、同時に細かい調整を加え、今回の失敗から学ぶ必要がある」とそう悲観的になる必要はないと指摘。チームの方向性は間違っていないと言及した。