まだギリギリの戦いは続いているが、現在プレミアリーグ残留へ懸命に戦っているのが17位のルートン・タウンだ。
ルートン・タウンは昨季にクラブ史上初のプレミアリーグ昇格を決めたクラブで、中には1シーズンで2部へ降格することになると予想している人もいるだろう。
しかし、ルートン・タウンはここまで23試合を消化して勝ち点20を稼ぎ、何とか降格圏の一歩手前で踏ん張っている。1月末にはブライトンをホームで4-0と一蹴するなど、不思議な強さを備えたチームだ。
そのチームを指揮するのは、41歳と若い青年指揮官のロブ・エドワーズだ。2022年よりチームを指揮するエドワーズはルートン・タウンをプレミア昇格へ導いた人物でもあり、今季残留を勝ち取れればクラブの英雄となるだろう。
プロ選手としてはバーンズリーやブラックプールなどイングランド国内でプレイを続けた地味なキャリアではあったが、今は監督として初のプレミアリーグを戦えている。
そんなエドワーズの才能に早い段階から目をつけていたのが、テルフォード・ユナイテッドの会長を務めていたアンディ・プライス氏だ。テルフォードはイングランド6部相当となるナショナルリーグ・ノースで戦っていた小さなクラブで、エドワーズは短期間ながら2017年にテルフォード・ユナイテッドの指揮官に就任している。これが指揮官としての一歩だったのだ。
英『The Guardian』によると、当時エドワーズを抜擢したことについてプライス氏は次のようにコメントしている。
「彼はとても若かったが、地元のテルフォード出身で、素晴らしいプロ選手としてのキャリアを積んだ人物だ。当時の段階で我々は彼に監督しての才能があると分かっていた。あれが彼の監督としての第一歩だったんだ。時々、テルフォードのファンが『ああ、エドワーズがクラブに戻ってきてくれたら』と言ってくることがあるけど、今の彼の活躍を見るのが嬉しいね。我々はエドワーズをとても誇りに思うし、彼の歴史の一部であったことは素晴らしい」
その後エドワーズはフォレストグリーン・ローヴァーズの指揮官として4部相当となるリーグ2を制し、チームを3部へと昇格させるなど着実に成果を出し、2022年よりルートン・タウンの指揮官に就任している。プライス氏の目利きも間違いではなかったということだろう。
今冬ルートン・タウンには日本代表DF橋岡大樹も加入していて、ここからプレミア残留を懸けた終盤戦へ臨むことになる。選手たちの頑張りはもちろんだが、青年指揮官エドワーズの策にも注目だ。