すでに今季はトップ4への食い込みが絶望的となっているチェルシー。マウリシオ・ポチェッティーノのチームは若く、しかも怪我人がシーズン前から多くなっており、いまだ発展途上といったところ。このところはソリッドなパフォーマンスを見せるようになってきたが、プレミアリーグでの上位進出は厳しいと言わざるを得ない。
そんなチェルシーにとって希望となるのがカップ戦のタイトルで、今季は今月末にリヴァプールとの決勝戦があるカラバオカップ、そしてFAカップにも5回戦まで勝ち残っている。なんとしても国内カップ戦のタイトルをどちらかは獲りたいところだろうが、チェルシーがこのFA杯に勝ち上がることで、ライバルのアーセナルに思わぬ恩恵があると英『football.london』が指摘している。
チェルシーは2月28日にリーズをホームに迎え、準々決勝へコマを進める可能性がある。勝ち上がった場合はチェルシーがエミレーツ・スタジアムを訪れる3月16日と日程が重なり、FAカップのスケジュールが優先されるためにアーセナルVSチェルシーの試合は延期されることになる。
アーセナルは3月13日にCLラウンド16でポルトと戦うが、もしチェルシー戦が延期されると、3月後半にインターナショナルマッチウィークを挟むため、4月1日のマンチェスター・シティ戦まで試合がなくなり、小さな休み期間が訪れるのだ。
アーセナルは1月8日のFA杯リヴァプール戦のあとにも小さな休みをとっており、チームはここをドバイ合宿に充ててコンディションの調整に努めた。年末年始のハードスケジュールで疲れ切っていたように見えたチームはその後に上昇気流を描いており、クリスタル・パレスを5-0、リヴァプールを3-1、そしてウェストハムをアウェイで6-0と勢いよく破っている。
もちろん代表選手たちにとって3月末の代表ウィークは休みにならないが、それはシティにも同じことが言える。その前の週末を休めることがチーム全体にとって大きいのに加えて、トーマス・パルティ、エミール・スミス・ロウら現在は負傷が治りかけとみられる選手たちにとっては半月ほどの調整期間ができ、シーズン終盤にかけてスカッドをメンテナンスするのにちょうどいい期間になるというわけだ。
優勝の行方を左右するビッグマッチになることは必至のシティ戦。ライバルのカップ戦での奮闘が、思わぬご褒美をガナーズにもたらしてくれるようだ。