ユナイテッド宮澤ひなたは“遅咲き” 苦労人ぶりに英紙注目「日本にはプロリーグがなく学業を……」

W杯でシンデレラガールとなった宮澤 photo/Getty Images

日本では女子選手のキャリア形成は大変だ

マンチェスター・ユナイテッドへの加入を果たした日本代表MF宮澤ひなた。22-23シーズンには1ゴールしか決めておらず、ほとんど知られていなかった選手の加入ということで英国でも注目を集めているようだ。

英『Daily Mail』は宮澤のキャリアに着目している。「宮澤は23歳と遅咲きだが、彼女の才能と可能性は常に存在していた」と評し、その苦労人キャリアを振り返った。

「宮澤が初めてピッチ上で輝きを見せたのは星槎国際高等学校だった。15歳で初めてU-17ワールドカップの日本代表に選出され、準優勝した」
「2018年のU-20ワールドカップで優勝した日本代表のスター選手となり、18歳の誕生日の数週間前にフルシニアデビューを果たした。当然、学校を卒業する前に日本のクラブから数多くのオファーを受けていた。現チャンピオンの東京ヴェルディベレーザと契約したが、サッカーと並行して学業を続けることができるという条件つきだった」

「当時の日本ではまだ女子サッカーが完全にプロとして普及しておらず、宮澤は複数のキャリアの選択肢を持ちたいと考え、東京の名門・法政大学へ医学(※健康科学部)を学ぶために入学した。ベレーザで2年間を過ごし、2021年に日本初の完全プロ部門であるWEリーグが創設されるにあたり、マイナビ仙台から契約をオファーされた。宮澤はこれを受け入れ、残りの学位をリモートで取得した」

WEリーグを立ち上げてさほど経っていない日本では、サッカーと並行して大学で学んだり就職したりといった選択肢は普通のことであり、大学を卒業してまもない23歳はまだ若いというイメージも強い。しかし、女子サッカーのプレイ環境がより整備された欧州では「遅咲き」とみなされるようだ。

しかし、同紙によればユナイテッドの期待値は高いという。マーク・スキナー監督はゴール前での自信を深め、それを持ち続けることを宮澤に期待しているようだ。スキナー監督が宮澤に新しい環境に慣れるための時間を与えてくれることは間違いなく、彼女の成功はユナイテッドファンの間ですでに今季、リーグと欧州コンペティションの両方で重要な違いを生み出すのではないかとの期待が高まっているという。

W杯でシンデレラガールとなった宮澤。そのスピードと決定力をイングランドでも発揮してくれることに期待したい。

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