「最速のDFでもなければ、最強のDFでもない」 それでもナポリを完封した34歳の番人・ケアーの評価急上昇

頼れるベテラン戦士ケアー photo/Getty Images

ここぞで頼れる経験値

4月に入ってからミランVSナポリの対決が熱い。

始まりとなったのは2日のリーグ戦で、この直接対決ではミランが4-0と大差をつけて勝利を収めた。今季セリエAを独走してきたナポリがまさかの大敗を喫することになり、この一戦から一気に両者のライバル関係が強まった印象だ。

そして迎えた12日のチャンピオンズリーグ準々決勝1stレグ。ここでも両者は顔を合わせ、ホームのミランがMFイスマエル・ベナセルの決勝ゴールで1-0と先勝した。
ミランが連勝したこともそうだが、両試合でナポリが無得点に抑え込まれたのは衝撃的だ。ナポリはエースのヴィクター・オシムヘンを欠いていたが、それでも今季のナポリは攻撃陣が好調を維持してきた。抑え込んだミランの守備陣の方を称えるべきなのだろう。

見逃してはならないのが、両試合でセンターバックを務めた34歳のデンマーク代表DFシモン・ケアーだ。

デンマーク代表で120試合以上こなしてきた熟練DFのケアーは、怪我で2021-22シーズンの後半を棒に振ってしまった。その間にミランではフィカヨ・トモリ、ピエール・カルルの若手コンビが評価を上げ、今季は同じく21歳と若いマリック・ティアウもブレイクした。

彼ら若手の勢いも貴重なパワーだが、やはりCLのような大舞台ではベテランの経験値が欠かせない。ケアーはナポリの攻撃を上手く読み、的確に相手の縦パスを消していた。

スペイン『as』もケアーの仕事を絶賛しており、守備が改めてスピードやパワーといった身体能力だけでやるものではないと思い知らされる。

「ケアーは欧州で最速のDFでもなければ、最強のDFでもない。だが、彼の戦術的知性と成熟度は際立っている」

負傷から復帰した今季もケアーはベンチを温めるゲームが多かったが、カルルが離脱した2日のナポリ戦、トモリが離脱したCLベスト16・トッテナム戦1stレグではセンターバックの位置に入り、見事シャットアウト。再び評価は上がっている。

翌週のナポリ戦2ndレグもケアーは重要な戦力となるはずで、今のところケアーを外す案は存在しないだろう。

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