エリクセンの長期離脱発覚後に始動した「緊急プロトコル」 マンUフロントの今冬の動きはお見事だった

ザビッツァーの加入を喜んだテン・ハーグ監督 photo/Getty Images

後半戦に向けてできる限りの補強は行った

チームの核となっていたMFクリスティアン・エリクセンが長期離脱となってしまったため、冬の移籍市場閉幕ギリギリでMFマルセル・ザビッツァーのローン移籍を成立させたマンチェスター・ユナイテッド。フロントが迅速に動いて成立させたこの補強には、エリック・テン・ハーグ監督も満足感を示している。
 
現在プレミアリーグ4位につけているマンUは、カラバオカップで決勝に進出しており、FAカップでも4回戦突破を果たしている。ヨーロッパリーグではバルセロナとの決勝トーナメントプレイオフという難関が待ち受けているが、全ての大会でタイトル獲得の可能性が残されている状況だ。
 
しかし、MFブルーノ・フェルナンデス、MFカゼミロと共に今季のマンUの中盤を支えていたエリクセンが先月29日に行われたFAカップのレディング戦で負傷交代してしまった。検査の結果、クラブは4月下旬から5月上旬までエリクセンが欠場する見込みだと公表しており、オーストリア代表のザビッツァーをバイエルン・ミュンヘンからローンで獲得するに至った。
 
米『ESPN』は、エリクセンの長期離脱が発覚した後、マンUの幹部たちがすぐさま「緊急プロトコル」を発動したと伝えており、彼らが移籍市場閉幕の前日に獲得候補者10人の名前が載ったリストをテン・ハーグ監督に提示したことも明らかにしている。そして、恐らくその中の1人であったザビッツァーがマンUへの移籍を望んでいると判明した後、テン・ハーグ監督は今回獲得するべきは彼だという確信を得たようだ。
 
バイエルンとの交渉は移籍市場閉幕まであと数時間というところで始まったようだが、両クラブが良好な関係を築いていたこともあり、ローン移籍成立まではスムーズに事が運んだという。テン・ハーグ監督はザビッツァーの獲得に成功したことについてこのように述べている。
 
「我々に必要なことだったから、この移籍には本当に満足している。デッドラインデーに質の高い選手を連れてくるのは難しいことだが、チャンスをものにすることができた」
 
28歳にしてプレミアリーグ初挑戦となるザビッツァーがどれだけ早く本領を発揮できるかは未知数だが、そこさえ問題なければ心強い戦力として機能してくれることだろう。すでに1トップの位置で活躍しているFWボウト・ベグホルストのローン移籍も成立させただけに、今冬のマンUの動きは見事だったと評価できるのではないか。

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