非現代型GKデ・ヘアは自らの存在価値を“シュートストップ”で証明する 弱点を補って余りあるマンU守護神の好セーブ

好パフォーマンスを見せて中断期間を迎えた photo/Getty Images

10年以上マンUのゴールマウスを守っているデ・ヘア

クラブレベルでは来季からの守護神交代が噂され、スペイン代表ではカタールW杯行きのメンバーから落選するなど、やや不遇の時を迎えているマンチェスター・ユナイテッドのGKダビド・デ・ヘア。それでも彼は自らの特長を最大限に発揮し、その存在価値を証明している。
 
今季からマンUを率いるエリック・テン・ハーグ監督は、ゴールキーパーにもビルドアップに参加することを望んでいる。しかし、デ・ヘアはそういったプレイを不得手としており、マンUとの契約は来夏まで。1年の契約延長オプションが行使されないまま、退団となる可能性も噂されている。
 
そして、スペイン代表を率いるルイス・エンリケ監督もテン・ハーグ監督と同様の考えを持っている。W杯メンバーにはアスレティック・ビルバオのGKウナイ・シモンやブライトンのGKロベルト・サンチェス、ブレントフォードのGKダビド・ラヤを選出。デ・ヘアは3大会連続のW杯メンバー入りを逃しており、55人の予備登録メンバーにも含まれていない。
 
そんな評価とは裏腹に、今季のデ・ヘアは得意のシュートストップで何度もチームを救っている。直近のフラム戦では6本のセーブを記録しているが、うち5本はボックス内から放たれたシュートであり、特にFWカルロス・ヴィニシウスの振り向きざまのシュートや、DFティム・リームのヘディングシュートは至近距離からのものだった。
 
このフラム戦のヒーローが後半アディショナルタイムに勝ち越しゴールを決めた18歳のFWアレハンドロ・ガルナチョであったことは間違いないが、デ・ヘアのセーブがその下地を作ったことも確かだろう。
 
今後もデ・ヘアを11人目のフィールドプレイヤーとして数えるのは難しいのかもしれないが、彼のシュートストップにはチームに勝ち点3をもたらす力がある。たとえマンUを離れることになっても、このパフォーマンスを継続できるのであれば、彼を欲するクラブは多いはずだ(データは『SofaScore』より)。

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