必要なのは“時間と忍耐” トッテナムファンはコンテのビジョンを受け入れられるか

ファンのブーイングにリアクションしたコンテ監督 photo/Getty Images

上位対決をものにできなかった

7日に行われたプレミアリーグ第15節リヴァプール戦に敗れ、ここ4試合のリーグ戦成績が1勝3敗となってしまったトッテナム。アントニオ・コンテ監督はファンに理解を求めている。
 
ここ最近のトッテナムは、第12節のマンチェスター・ユナイテッド戦、第13節のニューカッスル・ユナイテッド戦と、上位争いを繰り広げているチームとの試合を立て続けに落としてしまっていた。勝利した第14節ボーンマス戦も、2点のリードを許しながら後半アディショナルタイムに逆転に成功するというギリギリの試合を見せており、FWデヤン・クルゼフスキやFWリシャルリソンの負傷離脱が大きく響いている。
 
それに加え、2日に行われたチャンピオンズリーグのオリンピック・マルセイユ戦でFWソン・フンミンも負傷交代。まともに計算できる主力FWがハリー・ケインのみという状況の中で今回のホーム・リヴァプール戦を迎えることになってしまった。
 
この試合のトッテナムは、前半のうちにFWモハメド・サラーに2ゴールを許してしまい、ハーフタイム突入時にはファンから大きなブーイングを浴びてしまった。しかし、約1ヵ月ぶりに戦列復帰していたクルゼフスキが68分から途中出場すると、直後の70分にケインのゴールをアシスト。これによりトッテナムには追い上げムードが漂ったが、リヴァプールも粘りを見せ、最後まで同点に追いつくことはできなかった。
 
英『Daily Mail』によれば、コンテ監督はチームにブーイングを浴びせたファンの態度に少し落胆してしまったようで、チームが常勝軍団になるまでもう少し我慢してほしいと訴えている。
 
「我々はどんな時でもファンに対して大きな敬意を示さなければならない。彼らは我々のファンだ。チケット代を払ってくれている。それと同時に、少しがっかりしたかと尋ねられれば、そうだと答える… 正直でいることはどんな時でも重要だから正直に言った」
 
「私は同じことを繰り返し続けている。我々はまだそのプロセスに入ったばかりだ。(コンテ監督就任から)1年が経って多くが改善された。でももし、すでに我々が勝つ準備が整っていると誰かが思っているのなら、それは本当に、本当に難しいことだと私は正直に言わなければならない」
 
「今のところ、トロフィーを獲得することは約束できない。今現在、我々はそれとは程遠いところにいる。私は時間と忍耐を求め続けている。私の経験から言えば、勝つことに慣れていて、勝つために強力なスカッドを有している他のチームと、我々はかけ離れている」
 
「もしみんながこれを共有できれば、良い方向に向かっていくだろう。みんな勝ちたいと思っている。何より私が一番に勝ちたいと思っている。みんなが時間と忍耐を持っていれば問題ないが、そうでなければ今季をこのまま過ごしていき、最後に何が起こるかを見ることになる」
 
一気に負けが込んでしまったことは確かだが、これだけ負傷者が出てしまえばどんな監督でも結果を出すのは難しいはず。それでもコンテ監督がチームをCL決勝トーナメント進出に導いたこと、暫定ながらリーグ戦4位につけていることは評価するべきだろう。

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