アーセナルで”序列低下”も冨安は高み目指す 「ピッチ上でチームを助けたい」とポジション奪取に意欲

アーセナルでプレイする冨安健洋 photo/Getty images

リヴァプール戦には出場するのだろうか

21-22シーズンは冨安健洋にとって激動のシーズンであった。

シント・トロイデンで海外初挑戦を果たしその後セリエAのボローニャで飛躍を掴んだ冨安。継続して高い評価を得ており、昨季の夏の移籍市場最終日にアーセナルが獲得を発表した。

加入後冨安のパフォーマンスは素晴らしかった。右サイドバックが定位置となり、プレミアリーグのBIG6でスタメンに定着しチームの好調を支えた。堅実な守備、ロストせず的確につなげるビルドアップでの貢献度の高さが魅力で、ミケル・アルテタにとって重要な存在となった。
しかし強度が他のリーグより高いとされるプレミアへの初挑戦、さらに右SBだけでなく左SB、センターバックでの起用と酷使されたことで負傷してしまい、復帰までにかなりの時間を要した。日本代表での活動からも遠ざかり、シーズン前半戦での活躍とは裏腹に後半戦は難しい時間が続いた。

アーセナル2年目となる今季の冨安は昨季とは違い控えが定位置だ。基本的には昨季冨安が起用されていた右SBには本来CBのベン・ホワイトが入り、マルセイユから戻ってきたウィリアム・サリバがCBの穴を埋める。冨安は控えからピッチに立つことが多く、ミッドウィーク開催となるELでは2試合連続スタメン出場を果たしている。日本代表でも先発フル出場する試合もあり、怪我から立ち直ったといえるが、ホワイトが築いた序列は崩せていない。

「僕にとってどのコンペティションでプレイするかは関係ない。例えELでもカップ戦でも、ピッチ上でチームを助けたい。でもポジションを取り戻したいのなら、もっとずっと良くならないといけない。今日(ELボデ/グリムト戦)は最高のパフォーマンスではなかったので、自分には満足していない」

「アーセナルのようなビッグクラブでは常に他の選手と競争している。競争から学ぶことは多い。ホワイトはとても良くやっている、練習でも彼から多くのことを学べるよ」

英『Evening Standard』では冨安が控えに回ってしまった現状と、競争相手であるホワイトについて語ってくれている。相手をリスペクトしながらも闘争心が感じられるコメントであり、こちらから彼に心配することはなさそうだ。

アーセナルは週末のリーグ戦でリヴァプールと対戦する。最終ラインに何かアクシデントがあれば代役を任されるのは冨安であり、最終ラインであればどこでもプレイできるユーティリティ性は素晴らしい。まだ23歳と若く、日本の至宝のこれからを見守りたい。

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