グリーリッシュがいればニューカッスル戦の結果は変わっていた? ペップが1億ポンドの男に期待する“唯一無二の武器”

ニューカッスル戦では怪我の影響でベンチ外だったジャック・グリーリッシュ photo/Getty images

昨季の夏シティに加わった

1億ポンドの高額な移籍金が支払われ、アストン・ヴィラからマンチェスター・シティにやってきたジャック・グリーリッシュ。背番号は10で、現役を退いたセルヒオ・アグエロの番号を継いだ。

昨季は加入初年度ながらリーグ戦では26試合に出場、3ゴール3アシストの計6得点に関与し、リーグ連覇に貢献した。しかしその移籍金の高さからより目に見える結果を求められたことで多くの批判が集まってしまった。今季はそんな批判を吹き飛ばすシティ2シーズン目であり、活躍が期待されている。

そんなグリーリッシュの22-23シーズンの初戦はプレミアリーグ開幕戦だ。ウェストハム戦では左ウイングで先発となり、ゴールやアシストはなかったが、ケビン・デ・ブライネに続く2本のキーパスを記録した。続くボーンマス戦は後半からの出場となり、この試合でも2本のキーパスを供給している。
3節、ニューカッスル戦ではボーンマス戦で負傷した影響からベンチ外となってしまった。3-3と壮絶な打ち合いとなっており、グリーリッシュがいればまだ結果は変わったか。

「唯一の問題はボールをアタッキングサードまで運んだ時、アクションを終えれば問題ないが、フィニッシュできなければサン・マクシマンとアルミロンをコントロールすることができない」

「アーリン(ハーランド)やフィルにはアグレッシブさがあるのでなかなか難しい。ジャックやリヤド、ベルナルドが右でプレイすればもっと落ち着くことができる。ボールを失っても、私たちはそこにいるので、彼ら(サン・マクシマン、アルミロン)は走ることができなくなる」

英『The Athletic』ではジョゼップ・グアルディオラが3-3で引き分けたニューカッスル戦についてコメントを残している。そこでは相手のキーマンであるサン・マクシマンやアルミロンの対処法を語っており、ペップは攻撃で相手を押し込んでフィニッシュまでつなげることができれば、カウンターを封じられると考えているようだ。ただニューカッスル戦ではフィニッシュにつながらない場面が散見されており、何度もカウンターを受け失点につながってしまった。

このコメントから英紙ではグリーリッシュの強みはプレイを急がせない「パウサ」にあると主張している。スペイン語で「小休止」という意味を持っており、プレイに落ち着きを持たせることができる。確かにペップがアグレッシブと語るハーランドやフォーデンは縦への意識が高く、攻撃的だが、その分フィニッシュせずボールをロストしてしまい、ニューカッスル戦のようにカウンターを受け続けてしまう原因になる。グリーリッシュは怪我で起用できなかったが、万全の状態であればフォーデンではなくグリーリッシュが左ウイングで先発していただろう。

適切な額でチームの足りないパーツを移籍市場で獲得するシティだが、昨季の夏、大金を費やしてグリーリッシュを獲得した理由が何となくわかった気がする。

ボールを失わず高い位置でボールをキープすることはハイラインを敷くシティと相性がいい。さらにグリーリッシュはパスやドリブルで怖さを見せることも可能で、今のチームの左サイドではグリーリッシュしかこの役割を果たすことができない。フォーデンはまだ若いため伸びしろはあるが、現時点で「パウサ」を必要とする場合はグリーリッシュが適任だ。

ハイラインを敷く上でニューカッスルのようなカウンターを強みとするチームはシティにとって天敵だ。昨季勝てなかったトッテナムもカウンターの使い手であり、今季はチームに落ち着きを与えられるグリーリッシュが重要な一戦でキーマンとなるのだろうか(データは『SofaScore』より)。

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