香川真司が「天才」だと称賛するシント・トロイデンの44番 日本代表元10番が越えなければならない壁

昨季は14ゴールに関与したクリスティアン・ブルース photo/Getty images

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原大智をはじめ多くの日本人選手がプレイするベルギーのシント・トロイデン。昨季の序盤は勝てない難しい時期が続いたが、終盤になると勢いを掴んで9戦無敗と素晴らしい成績でシーズンを終えている。

そんなシント・トロイデンの攻撃を支えているのは44番を背負うMFクリスティアン・ブルース(33)である。過去にはレンヌやニースと5大リーグでプレイした経験を持つMFで、シント・トロイデンには20-21シーズンの冬の移籍市場でやってきた。21-22シーズンはスタートからプレイすることになり、最終的に7ゴール7アシストに関与する大活躍だった。昨季チーム内で最も得点に関与している人物で、ストライカーである原や林大地を操っていたのが彼だ。

正確なパスとアイデア溢れるプレイを得意としており、自ら推進力のあるドリブルで運ぶこともできる。33歳と若くはないが守備では献身的であり、昨季は全34試合でピッチに立ったチャンスメイカーだ。
「キャリアの中で多くの選手を見てきましたが、ブルースは天才です。私は彼と共にピッチに立ち、プレイするのが待ちきれません」

ベルギーメディア『WALFOOT』でブルースを称賛するのは日本代表の香川真司だ。香川もボルシア・ドルトムントやマンチェスター・ユナイテッドでプレイした素晴らしい攻撃的MFだが、香川から見てもブルースのレベルは高いのだろう。実際に昨季のシント・トロイデンでのドリブル成功数(34回)、ビッグチャンスクリエイト数(9回)、キーパス数(69本)、クロス成功数(60本)のような攻撃的なスタッツはすべてブルースがチームトップである。

来季もこのブルースの活躍に期待したいが、香川はこのブルースからポジションを奪う必要がある。シント・トロイデンは[3-5-2]が基本システムであり、香川は前線の2トップ、もしくは中盤の3枚に入ることになる。昨季唯一先発だったスタンダール・リエージュ戦ではこのブルースと中盤でコンビを組み、3-0と快勝を収めた。だが、普段はこのポジションに運動量のある選手をベルント・ホラーバッハ監督は置くことが多く、林がインサイドハーフでプレイした試合もある。香川は監督の求める運動量や守備強度をシーズン通して見せられれば問題ないが、そうでなければこのブルースが香川の前に大きく立ちはだかることになるだろう。

冬の移籍市場でシント・トロイデンに加わった香川。まだ短い時間しかプレイできていないが、22-23シーズンはベルギーで本領発揮となるのだろうか(データは『SofaScore』より)。

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