日本代表に“デ・ヘア級”のビッグセーバーはいるか スペイン代表ら強豪と戦う際に必要な絶対的守護神

日本代表の守護神を務める権田修一 photo/Getty images

権田なのか、はたまた

長かったアジア最終予選も終わり、ワールドカップ・カタール大会行きを決めた日本代表。今回は例年と違ってシーズン中の開催であり、残された日数は残り約7カ月だ。グループステージで対戦の決まったスペインやドイツへの対策を練り、親善試合で試していくしかない。

スペイン、ドイツともに前回のワールドカップ・ロシア大会ではふがいない結果に終わっており、ドイツに関しては昨年の夏にあったEURO2020でも思ったように好成績を残せなかった国なのだが、そこからチームは生まれ変わっており、今回はブラジルやフランスと並んで優勝候補筆頭の実力を持っているといえる。スペインは指揮官がルイス・エンリケとなったことで[4-3-3]のレベルが高まっており、攻撃時のアイデアはバルセロナのペドリとガビのコンビが底上げてしてくれる。ドイツは元バイエルン・ミュンヘンのハンジ・フリックが新監督になっており、バイエルン並の強さを持ったチームに成長している。日本はロシア大会にてコロンビア、セネガル、ポーランドと対戦したが、それらの国とは一線を画すレベルにあることは間違いない。

また、両国ともにボールを保持するポゼッションサッカーを戦術の軸としており、押し込まれ攻め続けられると予想できる。そのためにも3バックにするなど策を講じる必要があるのだが、こういった攻撃的なチームを沈黙させるにはビッグセーバーと呼ばれる選手が必要だ。クラブ単位でいえばマンチェスター・ユナイテッドのダビド・デ・ヘアがビッグセーバーだ。どんなに守備陣が崩されようとも彼が防ぐことで流れを断ち切ることができる。昨季CL優勝を成し遂げたチェルシーにもエドゥアール・メンディというビッグセーバーがいた。

日本代表にその人材がいるかどうかだが、今後はそこが焦点となってGKの選考が行われていくか。現状のGKは権田修一が不動の守護神で彼に続く存在としてシュミット・ダニエル、谷晃生、ベテラン枠で川島永嗣の4人がアジア最終予選で選ばれた。

経験値でいえば権田が大きくリードしている。カタール行きを決めたオーストラリア戦では空中戦でのミスが見られたが、それ以外のパフォーマンスは文句のつけようのないものであり、森保一監督が初戦のドイツ戦で起用しても驚きはない。それでも、権田のセービング技術が日本の中で抜けているのかといわれれば、明確に谷やシュミットを越えているかは分からない。アジア最終予選では攻める試合が多く、権田が守護神だから助かったというゲームがないからだ。谷に関しては東京五輪で良いセーブを連発しており、シュミットはシント・トロイデンで今季10回のクリーンシートを達成している。彼らが親善試合でビッグセーブを連発すれば、その能力だけで初戦スタメンも十二分にあり得る話だ。

時間がないかも知れないが、残りの6試合でよりセービングに長けたGKを探す必要があるのは確かで、そんな選手を見つけることでスペインやドイツから勝ち点を拾える可能性を増やしたい。それはここまで招集されていない選手でもよく、今季でいえばJリーグで最もクリーンシートを記録しているのは横浜F・マリノスの高丘陽平とアビスパ福岡の村上昌謙が記録する「3」だ。彼らのように調子のよい選手を呼ぶのも悪くない。

格上との試合をする中で必須となる、セービング能力の高いGK。それは今まで通り権田なのかも知れないし、谷かシュミットなのか強敵とやってみなければ分からない。幸い6月の親善試合ではブラジル代表と戦えるとの話も出ており、世界レベルのシュートを止められるGKを探したい。

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