日本のサッカーファンとしては複雑だが、リヴァプールが今冬にFCポルトからFWルイス・ディアスを迎えたのは大正解だったのだろう。シーズン途中から新チームへ適応するのは難しい作業だが、ディアスは思った以上に素早くリヴァプールのチームスタイルに馴染んでいる。
ファビーニョ、アンドリュー・ロバートソンなどユルゲン・クロップ率いるリヴァプールでは本領発揮まで時間のかかる選手もいたが、ディアスにそれは当てはまらない。
英『FourFourTwo』もルイス・ディアスの引き抜きが大きかったと主張する。南野拓実、ディボック・オリギのバックアッパー2人よりも信頼できるピースとなっているからだ。
今季のリヴァプールにピンチがあったとするならば、年明けからの2カ月だろう。1月はアフリカ・ネイションズカップでFWサディオ・マネ、モハメド・サラーの2人が抜け、それが終わった2月にはFWロベルト・フィルミーノとディオゴ・ジョタが負傷離脱してしまった。
そこでルイス・ディアス登場である。フィルミーノとジョタが欠場した2月19日のノリッジ・シティ戦では1得点を挙げる活躍を披露し、2月27日に行われたチェルシーとのEFL杯・決勝にも先発してチームの優勝に貢献した。結果的に見れば、フィルミーノ、ジョタ、サラー、マネに代わる5番目の選択肢があったのは大きかった。
少々手厳しいが、同メディアは「2月のゲームでディアスがいなければどうなっていたか。オリギ、あるいは南野へのステップダウンはかなり大きい。ディアスは異なるレベルにある」と新アタッカーを今冬に迎えたフロントの動きを称賛している。
結果的にはディアスの加入がEFL杯制覇に繋がったようなところがあり、恐れられていた前線のガス欠問題は解消されることになった。今では世界屈指の攻撃集団となっており、複数コンペティションを戦うには十分な層が揃っている。
プレミアリーグ、FA杯、すでに獲得したEFL杯、そしてチャンピオンズリーグの4冠を目指せるのは、冬にディアスを獲得したからこそだろう。控えには南野、オリギ、あるいは復帰してきた若いハーヴェイ・エリオットらもいるが、ややレベルが劣るとの指摘も正しいか。複数コンペティションを制するには、冬のルイス補強が不可欠だった。