まだプレミア・ドリブル成功ランク3位に名を残す者 4年で“535回”も決めた男が失った輝き

チェルシー時代のアザールはキレキレだった photo/Getty Images

もうあの輝きは戻ってこないのか

2015-16シーズンからの「プレミアリーグ・ドリブル成功数ランキング」を振り返った時、すでにプレミアを離れた選手の名前が2人入っている。

1人は2019年にチェルシーを離れ、レアル・マドリードへ向かったFWエデン・アザールである。

もうチェルシー時代の輝きを見ることは出来ないのだろうか。2015-16シーズンからのランキングを振り返ると、アザールは第3位となる計535回のドリブルを成功させている。5位はマンチェスター・シティMFリヤド・マフレズ(420回)、4位リヴァプールFWサディオ・マネ(438回)、2位は今冬にウォルバーハンプトンを離れて古巣バルセロナへ戻ったFWアダマ・トラオレ(645回)、そして1位はクリスタル・パレスFWウィルフリード・ザハ(760回)だ。
トラオレもすでにプレミアを離れているとはいえ、離れたのは今冬のことだ。2019年の夏にレアルへ向かったアザールとは状況が違う。このTOP5のうち、やはりアザールは特別だ。

アザールは2016-17シーズンにリーグ戦だけで143回、2017-18シーズンは165回ものドリブルを成功させており、当時は制御不能だった。トラオレのように爆発的なスピードで縦へ仕掛けるのではなく、アザールの場合はより技巧派だ。相手DFのタイミングを外し、中にも外にも突破できる。

しかもほとんど相手にボールを奪われないのも特長的だった。143回成功させた2016-17シーズンはドリブル失敗数が僅か36回、165回成功させた2017-18シーズンも失敗数は34回と少ない。2018-19シーズンも137回成功させ、失敗は37回のみだ。確実性が高いこともアザールのドリブルの特長だ。

残念ながらその突破力はレアルで発揮されていない。怪我などにより出場数が少ないのがそもそもの原因だが、2020-21シーズンはドリブル成功数が14回、今季も20回に留まっている。まるで全盛期が過ぎ去ってしまったかのような数字で、チェルシー時代のパフォーマンスを発揮できればリーガ・エスパニョーラでも無双できるはず。それが分かっているだけに、現状は何とももどかしい。

31歳を迎えたアザールが最高の状態に戻ることはないのか。プレミアでの活躍と同じものを期待していたレアルのサポーターもショックが大きいだろう(数字は『WhoScored』より)。

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