状況に応じてスタイルを変える“ミランの心臓” トナーリは泥臭さとエレガントさを併せ持つ

ミランに欠かせない存在となっているトナーリ photo/Getty Images

ユヴェントス戦でも好パフォーマンス

現地時間23日に行われたセリエA第23節のユヴェントス戦を0-0のスコアレスドローで終えたACミラン。この試合のロッソネリは90分間で相手の枠内シュートをゼロに抑えるなど守備面での奮闘が目立ったものの、最後まで得点を奪いきれずに勝ち点1を分け合うこととなっている。

結果的にはやや物足りなさが残ったユヴェントス戦。しかし、内容を見るとポジティブだった部分も少なくない。そのひとつとして、イタリア代表MFサンドロ・トナーリ(21)の奮闘は挙げることができるだろう。今季一気に株を上げた男は、この試合でも自身が中盤に欠かせない選手であることを証明してみせた。

序盤は両軍共に強度の高さを押し出す展開となったこのゲームだが、そのなかでもトナーリの積極的な守備は群を抜いて目立っていたと言っていい。10分にMFマヌエル・ロカテッリのイエローカードを誘発したボール奪取や、そのたった2分後に見せた前線におけるファン・クアドラードへの守備は実に見事。現地では“ジェンナーロ・ガットゥーゾの後継者”と呼ばれることもあるトナーリだが、前半の彼はまさに闘う男としての一面を垣間見せた。
しかし、それだけではない。後半のトナーリは激しい守備で目立つシーンこそ減ったが、今度は視野の広さを駆使して冷静にボールを散らす役割を遂行。残念ながらチームは無得点に終わったが、随所で彼の効果的な配球はユヴェントス守備陣を苦しめた。前半は泥臭い守備、そして後半はエレガントなパスを駆使してチームを牽引したトナーリ。この試合、攻守において彼の貢献度が抜群に高かったのは間違いない。

試合の流れによって、自身のキャラクターをどのようなスタイルにも変化させることができるトナーリ。21-22シーズン、若きイタリア代表MFは日に日に存在感を増していたが、もうすでに彼は“ミランの心臓”としての地位を確立したのか。攻守で素晴らしいパフォーマンスを見せるトナーリには今後も注目だ。

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