近年のサッカー界で密かに見逃せないリーグとなっているのがデンマーク・スーペルリーガだ。世界を代表するメガクラブこそないが、継続的に有望な若手を輩出しているのだ。
2008-09シーズンからはコペンハーゲン、ノアシェラン、ミッティラン、オールボーBK、ブレンビーの5クラブがリーグ制覇を達成しているのだが、これらのクラブからは続々と有望株が出てくる。
現在ベルギーのヘンクで伊東純也とチームメイトのナイジェリア代表FWポール・オヌアチュもミッティランから出てきた選手で、2019年にヘンクへ加入。
まだ21歳と若いガーナ代表MFモハメド・クドゥスは昨年ノアシェランからアヤックスへ、さらに同年にノアシェランはEURO2020でもブレイクしたデンマーク代表MFミッケル・ダムスゴー(21)をサンプドリアに売却している。
翌年にはコペンハーゲンがデンマーク代表期待の若手FWモハメド・ダラミー(19)をアヤックスへ、ノアシェランはリーグ・アンのレンヌに19歳のガーナ代表FWカマルディーン・スレマナを売却した。このスレマナはすでにリーグ・アン屈指のドリブラーとして注目を集めているアタッカーである。上手くいけば2、3年後にはビッグクラブから声がかかるかもしれない。
この流れは今後も続く可能性が高く、今季もデンマークで印象的なパフォーマンスを見せる若手がいる。
まずはノアシェランでリーグ戦5得点2アシストの活躍を見せる19歳のコートジボワール人FWシモン・アディングラだ。スレマナと同タイプのブレイクを感じさせるウイングプレイヤーで、低重心のドリブル突破が高い評価を得ている。アフリカから出てきた有望株はすぐに人気者となるだろう。
続いてはミッティランで活躍する22歳のブラジル人FWジュニオール・ブルマードだ。こちらは190cmとサイズがあり、ボールを収める力も評価されている。リーグ戦では今季11試合で7得点と大暴れしており、ブラジルとしては珍しい大型ストライカー完成に期待がかかる。
最後にデンマーク期待の若手大型FWであるコペンハーゲン所属のヨナス・ウインド(22)だ。今季リーグ戦16試合で6得点3アシストの成績を残すウインドも190cmとサイズがあり、デンマーク代表として今夏のEURO2020も経験している。そろそろ欧州5大リーグで経験を積みたいところで、デンマーク国内でのアピールは十分か。
いずれもまだビッグネームとは言えないが、デンマークを代表する名門が継続して若手有望株を輩出している点は見逃せない。今後も育成上手のクラブが多いリーグとして強豪クラブから目をつけられていくことだろう。