2020年10月に加入してから1年半も経過していないが、ひとりのサイドバックが現在バイエルン・ミュンヘンで窮地に立たされている。そのサイドバックとはDFブナ・サール(29)のことだ。
昨季開幕直後にマルセイユから1000万ユーロの移籍金で加入するも、ここまでバイエルンではほぼ良いところがないブナ・サール。昨季はハンジ・フリック前監督の下で15試合、そして今季はユリアン・ナーゲルスマン監督の下で9試合の出場にとどまっている。その立場は間違いなく怪しくなっており、近頃は冬の移籍市場における退団の噂も浮上していた。
しかし、ここからブナ・サールの逆襲劇は始まっていくのだろうか。ここまではピッチで大きなインパクトを残すことができていない同選手だが、今後の評価逆転に向けては気合は十分だ。今冬はバイエルンに残ることを明言しつつ、彼は次のように語る。
「冬に移籍はしないよ。状況を変えるなら6月だ。バイエルンは非常にレベルの高いクラブだし、試合に出るのは簡単なことじゃない。どの試合においてもトップレベルのパフォーマンスを披露できなければ、ゲームには絡めないんだ。加入当初、フリックは僕に言った。『私がキミを獲得したのはバックアップとしてじゃない。2番目のファーストチョイスとして連れてきたんだ』とね。でも、僕はそこから膝の炎症に悩まされることとなってしまった。多くの人は知らなかったかもしれない。今までは歯を食いしばりながらプレイしていたんだ。でも、これからは最高のコンディションでチームに貢献したいと思っている」(独『Spox』より)
これまで鳴かず飛ばずのパフォーマンス続きだったのは、コンディション不良の影響もあったとブナ・サール。その問題は解決に向かっているようだが、はたしてこの29歳は今後下がりきってしまった評価を回復できるか。
とはいえ、たとえこれまでのパフォーマンスが怪我によるだったとしても、それを言い訳にすることができないのがプロの世界だ。現状、チーム内における彼の立場が微妙なことに変わりはない。ここからブナ・サールが巻き返すためには、誰にも文句を言わせぬ活躍を長きにわたって継続しなければならないだろう。はたして、この状況を覆すだけのパフォーマスを今後の彼は披露することができるのか。バイエルンでもがいていた男の逆襲には期待したいところだが、その結末はいかに。