ようやくスタートラインに立った ヴェンゲル終期の強さを取り戻すアルテタ・アーセナル

ここからミケル・アルテタ監督の手腕の見せ所だ photo/Getty Images

4位でフィニッシュすれば16-17以来のCL権獲得だ

1996年から2018年までチームを指揮したアーセン・ヴェンゲルが退任したことでアーセナルは難しい時期に突入してしまった。後任のウナイ・エメリも翌年の2019年に解任され、クラブOBであるミケル・アルテタが監督の座についた。が、結果は2季連続での8位フィニッシュ。CLにもELにも行けない今シーズンが始まったわけだが、まさかの開幕から3連敗。アルテタの首も危ういといわれていたが、そこからV字回復を見せ、プレミアリーグ第17節終了時点で勝ち点29ポイントの4位となっている。上位を争うマンチェスター・ユナイテッドとトッテナムの2クラブは新型コロナウイルスの影響から消化試合数は少ないため、暫定ではあるが4位にアーセナルはいる。

まだ21-22シーズンの中盤であり喜ぶのは早いが、ようやくヴェンゲル終期のアーセナルに追い付いてきたといえる。

マンチェスター・シティやリヴァプールとの上位対決ではまだ強さは見せられていないが、今季は特に下位相手に取りこぼすことが減っており、シーズン中盤で4位にいるのはその証拠だ。もちろん、優勝を争うクラブとの直接対決での勝ち点も大事だが、その他約10クラブ以上に確実に勝つ事ができれば、CL権争いでも優位に立つことができる。実際に今季の6敗中4敗は前述したシティやレッズ、チェルシー、マンUと近年実力を保っているクラブであり、彼らと互角に戦えるようになればまた一つ過去の強かったアーセナルに戻ることができるだろう。

また、アーセナルは今夏の移籍市場で積極的に若手を補強しており、ベン・ホワイトや冨安健洋、ブカヨ・サカ、エミール・スミス・ロウとスタメンに20代前半の選手が名を連ねることが多い。逆に前述した強豪クラブの主力たちはモハメド・サラーが29歳、ケビン・デ・ブライネが30歳と円熟期に入っており、今後10年の期待感でいえばアーセナルが勝ることになる。今はまだ難しくても、2年後、3年後、4年後には今の若手たちがより成熟し、プレミアでの優勝争いを見せてくれるはずだ。

復活の糸を手繰り寄せたアルテタ・アーセナル。今季の期待感はここ数シーズンなかったものであり、シーズン終盤での順位に注目だ。

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