[MIXゾーン]“カメレオンサッカー”でベガルタ粉砕 山口体制下のベルマーレの成長が止まらない

ベルマーレに多彩な攻守を植え付けた山口智監督(写真は10月23日の横浜FC戦)photo/Getty Images

「相手を見ながら」試合を運んだベルマーレ

明治安田生命J1リーグの第36節が20日に行われ、15位の湘南ベルマーレが19位のベガルタ仙台に2-0で勝利。J1リーグ残留を争うチーム同士の直接対決を制した。

ベルマーレの勝利の要因は、ベガルタの守備隊形やプレッシングの段取りを見抜いたうえで、ビルドアップを行ったこと。

基本布陣[3-1-4-2]のベルマーレに対し、ベガルタは[4-4-2]の布陣で応戦。ベガルタの2トップの一角、赤崎秀平(崎は“たつざき”)がベルマーレのアンカー田中聡に張り付き、相手の自陣後方からのパスワークを封じにかかった。

パスワークのキーマンである田中を封じられたベルマーレは同選手経由のビルドアップを諦め、山本脩斗、大岩一貴、舘幸希の3バックが長身FWウェリントンや、インサイドハーフの平岡大陽と茨田陽生へのロングパスを多用。これによりベガルタのハイプレスをいなし、相手を自陣に釘付けにした。

- 相手の2トップの一人が、アンカーの田中聡選手を消す守備をしてきました。それに対して慌てずにパスを回し、相手を押し込めていたと思いますが、この点について感想をお伺いしたいです。

 
「そこも練習してきた部分ではありますし、相手を見ながらどういう(ボールの)動かし方をするのか、どういうテンポやスピードでプレイするのか、それが何故良いのかというところを追求しながらやっています。ポジションを取ることの大事さと、プレイのスピードを上げる、選ぶスピードを上げる、判断の質を上げていくことは、今日に限らず練習の中で要求している部分です。仙台さんの守り方というのがあるなかで、相手を見ながらそういう部分を出せたのかなと思っています」(ベルマーレ山口智監督)

同監督が試合後の会見で振り返った通り、田中聡を経由しない攻撃が機能したベルマーレは、10分にウェリントンが右ウイングバックの岡本拓也のクロスに反応し、先制ゴールをゲット。

このゴールで優位に立つと、[4-4-2]の陣形をあまり崩さずにビルドアップを試みたベガルタに対し、ウェリントンとタリクの2トップが相手の2ボランチへのパスコースを消しながら、相手の2センターバックへチェイシング。特に前半はこの守備が功を奏し、ベガルタに決定機を作らせなかった。

後半はベガルタの2ボランチの一角、富田晋伍が最終ラインへ降りてビルドアップに加わる場面が増えたため、2トップが相手のパスコースを限定しきれない時間帯が続いたが、守備ブロック全体を前半よりも下げ、[5-3-2]の隊形で自陣ゴール前のスペースを消す作戦に切り替えたことで、ベガルタのパスワークをスローダウンさせることに成功。

サイドからのクロスでシュートを放たれる場面はあったものの、パスワークで守備隊形を崩された場面はほぼ無し。堅守で試合をコントロールしたベルマーレは74分に岡本が敵陣でのインターセプトから追加点を挙げ、勝利を決定づけた。

遅攻と速攻、ハイプレスと自陣撤退を対戦相手の出方や戦況に応じて使い分けられるようになってきたベルマーレ。9月1日にコーチから監督に昇格した山口氏のもとで、相手によって色を変えるカメレオンサッカーを磨き上げてきた同クラブが、直近のJ1リーグ5試合負けなしと勢いづいている。

ベルマーレの次節の対戦相手は、現在J1リーグ17位で、2019年のJ1参入プレイオフでも鎬を削った徳島ヴォルティス。J1残留をかけた大一番で、“山口ベルマーレ”の真価が問われることになるだろう。

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