インテル、“10番”を少しでも長く留めるために…… 腕章を託すのもアリではないか

昨季はインテルに11年ぶりのスクデットをもたらしたL・マルティネス(右)photo/Getty Images

移籍の噂は絶えないが、今夏の残留は堅いか

王者インテルは21日、セリエA開幕節でジェノアと対戦し、4-0の勝利を収めた。スクデットへ導いたアントニオ・コンテ監督の退任、FWロメル・ルカクやDFアクラフ・ハキミといった主力たちの移籍など、不安に包まれた中でのシーズンのスタートではあったが、それらを見事に払拭。新体制としては、これ以上ない最高のスタートを切って見せた。

新戦力のMFハカン・チャルハノールやFWエディン・ジェコがいきなり結果を残したこと、昨季に続いて新体制でも守備陣が安定していたこと、シモーネ・インザーギ新監督がしっかり自身の手腕や“らしさ”を発揮していたこと……。連覇を目指すインテルにとっては、今後への光を照らす開幕戦となったに違いない。開幕戦で唯一「ファンを不安にさせたこと」があったとすれば、チームの10番を背負うアルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネスが欠場したことぐらいか。

L・マルティネスは今夏も移籍話が絶えず、移籍期間が残り1週間となった現在もそういった噂がちらほら聞こえてくる。一方、インテル自体もローマからジェコを獲得したにもかかわらず、ホアキン・コレアやドゥバン・サパタといった前線の選手に関する補強話がいまだに続いている。もしさらなる補強が実現するとなると、インテルの前線はやや人員過多ぎみ。しかもコストカットが求められているであろう今夏の移籍市場においてだ。L・マルティネスの退団に備えて、もしくは同選手の移籍で捻出する予定のお金で、コレアやサパタの補強を検討しているという見方もできなくはない。こういった背景も、L・マルティネスの退団話が絶えない理由に影響しているのかもしれない。

ただそんな中、ジュゼッペ・マロッタCEOが先日、『DAZN』のインタビュー内で「ラウタロは、他のクラブから好条件のオファーを受けたにもかかわらず、インテルに残りたいとはっきり言ってきてくれた選手だ。我々は彼を誇りに思っているよ。彼もインテルで、チャンピオンであることを証明したいと考えているんじゃないかな。彼が今後もこのクラブで成長していってくれることを、非常に嬉しく思う」とコメント。L・マルティネスの残留を明言したのだ。

また、L・マルティネス本人の直近のSNSを見ても、今夏のインテル残留が非常に堅いように思う。8月22日に24歳の誕生日を迎え、自身のInstagramで誕生日パーティの様子を明かしていた同選手。そこにはイヴァン・ペリシッチやニコロ・バレッラなど多くのチームメイトたちに囲まれ、祝福されるL・マルティネスの姿があった。そして、ジェコやチャルハノール、デンゼル・ダンフリースといった新戦力たちの顔ぶれも。新加入選手たちともうまく関係を築いているのも見て取れた。

マロッタCEOが明かしたように、より好条件のオファーを蹴ってまでインテルでのキャリア続投を望んだことが事実であれば、インテルはもっとこういう選手を大事にするべきだろう。もちろん、1年後、いや半年後にはL・マルティネスの周囲の状況や本人の気持ちが一変している可能性もある。ただ、10番としてチームを引っ張ってきた責任感や、自身の誕生日パーティに新戦加入選手を招待する行動力などからしても、リーダーとしての素質が見てとれる。現在キャプテンを務めるサミール・ハンダノビッチも37歳と、決して先が長いとは言えない年齢となっている。そのため、チームの希望となっているこの10番に偉大な腕章を託すのもアリなのではないか。そうすればL・マルティネスのインテル愛もより一層深まり、少しでも長くインテルにとどまってくれるかもしれない。

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