ユーヴェ、王座奪還の鍵は“NEWアンカー”か 名将のもとで開花しつつある才能 

新シーズンはアンカーとしてプレイすることとなりそうなラムジー photo/Getty Images

現代的なアンカーとして監督の期待に応える

再招聘された名将マッシミリアーノ・アッレグリのもとで、王座奪還を目指すユヴェントス。新シーズンのキーマンは、同監督によって新たな才能が開花しつつある“NEWアンカー”か。

ユヴェントスは14日、最後のプレシーズンマッチで新シーズンにスクデットを争うこうとになるであろうアタランタと対戦。8分にパウロ・ディバラのゴールで先制し、一度は同点に追いつかれるも、39分にフェデリコ・ベルナルデスキのゴールで勝ち越す。さらに、試合終了間際にアルバロ・モラタが追加点を決め、3-1で勝利を収めた。リオネル・メッシ抜きのバルセロナを相手に0-3の完敗を喫することもあったが、良い形でプレシーズンを締めくくり、新シーズンを迎えられそうだ。

そして、この試合で存在感を放ち、新シーズンへの期待感を膨らませたのが、アンカーに入ったウェールズ代表MFアーロン・ラムジーだ。これまでは1.5列目、もしくは2列目の起用が多かった同選手だが、今夏にアッレグリ監督がチームの指揮官に復帰すると、[4-3-3]の中盤の底で起用されることが増えた。ラムジーのアンカー起用は、これまでもさまざまな選手の新たな一面を引き出してきたアッレグリ監督が、新シーズンへ向けてこの夏に力を注いできた取り組みの一つだろう。
ラムジーはもともと視野が広く、状況把握や状況判断に長けている。豊富な運動量であらゆる場所に顔を出し、仲間と三角形を作って相手を崩したり、相手が嫌がる中間ポジションを取ったりするものうまい。止める・蹴るの技術もピカイチで、アンカーに入ってもそれらの技術や経験が存分に生かされているように思う。

アタランタ戦でも丁寧なパスでリズムを作り、ビルドアップを支えた。中盤の底でのバランスの取り方も絶妙。これまではあまりイメージがなかったかもしれないが、相手からボールを刈り取ったり、DFラインまで下がってカバーリングに入ったり、守備面でも存在感を発揮していた。まだまだ発展途上ではあるが、攻守両面において万能さが求められる現代的なアンカーとして、アッレグリ監督の期待に応えている。

ミラレム・ピャニッチの復帰の噂に加えて、今夏もなかなか静まることのなかったラムジー本人の退団話。こういったこともあり、当初は新戦力の補強までの“間に合わせ”という見解もあった。しかし、ラムジーは自らのプレイでアンカーとしての己の存在価値を証明し、そられの評価を覆してみせたのだ。

懸念材料があるとすれば、やはり怪我がちなところ。ただ、もしラムジーが怪我をせずにシーズンを送ることができれば、ユヴェントスは昨季の汚名をわずか1年で返上することができるのではないか。新シーズンのラムジーにかかる期待は大きい。

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