バルセロナでリオネル・メッシ、バイエルンやドイツ代表でマリオ・ゲッツェ、スペイン代表ではセスク・ファブレガスが0トップをこなすこともあったが、時代は再び大型ストライカーを求めている。
近年はリヴァプールのモハメド・サラーを筆頭に、サイドに点取り屋がいるケースも多くなっている。しかし大型センターフォワードの人気が上昇しているのも確かで、新シーズンのプレミアリーグでも大型ストライカーが1つの注目点となるのは間違いない。
英『The Guardian』は「オーソドックスな9番タイプに最も懐疑的だったグアルディオラがハーランドをマンチェスター・シティへ迎えたところから流れは変わったのかもしれない。ハーランドはシティのプレイスタイルに大きな変化をもたらしたからだ」と取り上げているが、アーリング・ハーランドは現代の大型センターフォワードブームを代表する1人だ。
その動きにライバルクラブも続いており、今夏アーセナルはスポルティングCPから189cmのサイズを誇るFWヴィクトル・ギェケレシュを獲得した。近年アーセナルがプレミア制覇に届かなかったのは9番タイプの選手が不足していたからだとの論調もあったが、ギェケレシュはそれを解決する存在となる。
昨季のプレミアを制したリヴァプールも、フランクフルトから190cmのFWウーゴ・エキティケを引き抜いた。パワーで勝負するタイプの選手ではなく、エキティケは足下の技術が高い器用なFWではある。それでも高さは1つの武器となるはずで、まだ23歳と若い。今後の成長次第でさらに何でもこなせる超万能FWとなる可能性が高い。
さらにリヴァプールはニューカッスルFWアレクサンデル・イサクの獲得にも近づいているとされるが、イサクも192cmのサイズを誇る。イサクはスピードも抜群で、ドリブルで敵陣を切り裂くプレイも得意としている。そのしなやかなプレイからティエリ・アンリと比較されることもあり、現代のニーズにぴったりな万能大型ストライカーと言える。
今夏にチェルシーがイプスウィッチ・タウンから獲得した186cmのFWリアム・デラップもフィジカル勝負に強さがある。チェルシーはブライトンから何でもこなせるジョアン・ペドロも獲得していて、新シーズンに2人のセンターフォワードが注目を集めるのは間違いない。
同メディアは昔よりも幅広い能力を持っている大型FWが多いのが特長と取り上げているが、今夏の補強でプレミアトップクラブには大型FWが一気に揃うことになった。これが1つのトレンドであることは間違いなく、各クラブの大型FWの活かし方は新シーズンの楽しみなポイントだ。