サラー、マネに続く“アフリカン・スター”へ リーガ行き迫るセネガルの原石

2020-21シーズンはリーグ・アンで印象的なパフォーマンスを披露したディア photo/Getty Images

知性と強引さを兼ね備えるFW

リヴァプールに所属するセネガル代表FWサディオ・マネ、エジプト代表FWモハメド・サラー、アーセナルに所属するガボン代表FWピエール・エメリク・オバメヤンなど、彼らはアフリカを代表するワールドクラスのアタッカーだ。優れた身体能力や類まれなるシュートセンスを備える彼らは、常に欧州サッカーシーンを盛り上げている。

そんな偉大な先輩たちに続き、2021-22シーズンはリーガ・エスパニョーラで新たなアフリカ産の才能が強烈なインパクトを残すこととなるかもしれない。今夏移籍市場にて、セネガル代表のホープがスペインに向かうこととなりそうだ。

その選手とは、スタッド・ランスに所属するFWブライユ・ディア(24)だ。スペイン『MARCA』によると、同選手のビジャレアル移籍が間近に迫っているという。クラブ間の交渉は最終段階に突入しているようで、何かトラブルが発生しない限り遅くとも今週中には取引が成立する見通しとのことだ。
リーグ・アンではすでにそのレベルを超えたアタッカーとなりつつあったディアだけに、このタイミングでの4大リーグ挑戦は自身の成長のためにもベストと言えるだろう。2020-21シーズンはリーグ戦36試合に出場して14得点を記録。フランスでできることはほぼやり尽くしたと言っていいか。かねてより各方面からポテンシャルの高さを評価されていただけに、新たなステージで彼がどこまでサラーやマネに近づけるかは見ものだ。

そんなディアのプレイスタイルを端的に表現するならば、“知性と強引さを兼ね備えたアタッカー”といったところだろう。巧みなオフ・ザ・ボールの動きと一瞬のスピードに大きな強みを持つ同選手。相手を出し抜く術の引き出しは多く、一瞬での裏抜けや巧みにマークを外す動きには随所でインテリジェンスの高さを感じることができる。アフリカ系のストライカーにありがちな“身体能力頼り”のスタイルでは決してない、頭を使うことに長けたストライカーだ。

そして、ディアはラストパスを受けた後の動きも秀逸。そこまでサイズがあるわけではないものの、彼のドリブルはとにかく体幹がブレない。たとえ相手DFにどれだけ激しいフィジカルバトルを挑まれたとしても、よほどのことがない限りディアは倒れないのだ。ときには、ぶつかってきた相手を引きずりながらドリブルすることも。オフ・ザ・ボールで動きは知的だが、ディアは必要とあらば強引なプレイも辞さない体幹の強さを備えている。

その場面に応じて最適なプレイの選択を行うことができるセネガル代表FW。ビジャレアル行きが決まれば彼にとっては初の4代リーグ挑戦となるが、はたして24歳のアフリカン・アタッカーはリーガでも存在感を示すことができるのか。今後サラーやマネの領域に近づいていくためにも、来季はディアにとってターニングポイントとなるかもしれない。

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