“スパーズのケイン”が帰ってきた デンマーク戦で見せた本来の姿

デンマーク戦はさすがの活躍であった photo/Getty Images

ここまで4得点を決めている

デンマークに勝利し、無事決勝戦に駒を進めたイングランド代表。特に守備陣が優秀で、デンマーク戦でMFミッケル・ダムスゴーに得点を許すまでは、無失点でここまで来ている。この堅守がイングランドの強さの一つであると言える。

しかし、攻撃はどうだろうか。ウクライナ相手に4得点を決めたが、同じくベスト4に残ったイタリアやスペインのように機能しているとは言えず、どちらと言えば個人での突破が目立った。それでも、デンマーク戦では改善されており、同点弾のシーンは見事な崩しを見せてくれた。そうなった理由の一つはハリー・ケインのプレイにあるだろう。

ここまでのケインは主に前線でターゲットマンとなっていたが、後方からの縦パスが少なく、ケインが孤立している場面が散見されていた。それが準々決勝のウクライナ戦から徐々に改善されており、ケインがミドルサードに降りてボールを受けることで前線にスペースを作り、攻撃の厚みを作り出している。同点弾の場面でもケインが降りてDFがボールウォッチャーになったことでブカヨ・サカが裏を取ることに成功しており、その流れから得点が生まれている。これは所属クラブのトッテナムで見せているケインの本来の姿であり、代表では何か指示があったのか分からないが、このような動きをしておらず、攻撃に停滞感が生まれていた。

このようにケインの使い方の変化で、面白いように活性化されていたイングランドの攻撃陣。決勝は強敵イタリアとなっており、ケインを始めとするスリーライオンズのFWはどこまで前線で良さを見せられるかが、カギとなりそうだ。

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