インモービレ&ベロッティに真の試練 イタリアのFWに求められるワールドクラスの証明

グループステージでは快調だったインモービレ photo/Getty Images

決勝トーナメントでは不発

グループステージ無傷の3連勝に始まり、EURO2020を戦うイタリア代表はここまで見事なパフォーマンスを継続している。決勝トーナメントに入る頃には優勝候補との意見も出るようになり、準々決勝でベルギー代表を撃破したことも特別驚くことではないだろう。

しかし、不安材料がゼロというわけではない。懸念点があるとするならば、最前線のセンターフォワードか。

ここはグループステージよりFWチーロ・インモービレが務めており、グループステージでは開幕戦のトルコ戦、続くスイス戦と立て続けにネットを揺らしてみせた。しかし決勝トーナメントに入ってからはベスト16のオーストリア戦、準々決勝のベルギー戦ともに不発で、枠内シュートもゼロだ。
控えにはアンドレア・ベロッティがいるが、ベロッティも決勝トーナメントに入ってから枠内シュートはゼロだ。ベルギー戦はMFニコロ・バレッラ、FWロレンツォ・インシーニェのゴールで勝利を収めたが、センターフォワードは数少ない不安なポイントか。ベルギー戦はEURO始まって以降では初めての強豪国との対戦だっただけに、ここでインモービレに結果が出なかったのは心配だ。

左ウイングバックで絶好調だったレオナルド・スピナッツォーラが負傷離脱してしまったことも痛手で、左サイドを軸としていたチャンスメイクにどのような変化が起こるのかも気にかかる。準決勝ではスペイン代表と対戦することになっているが、イタリアの攻撃はどこまで機能するのか。

センターフォワードではスペインも不安を抱えており、ベスト4に残ったデンマーク代表もワールドクラスと呼べるセンターフォワードは抱えていない。ここにきてイングランド代表FWハリー・ケインが目覚め始めているのは対戦相手にとって不気味なところで、あれだけ退屈と言われたイングランドの攻撃がベスト4の中で1番の脅威かもしれない。

ここまではイタリアが安定感No.1と評価されてきたが、インモービレやベロッティは最後の仕上げを完了させられるのか。スペイン戦でもそこが1つの焦点になるのは間違いない。

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