東京五輪帯同は期待の証? 近い将来日の丸を背負う徳島のダイナモ

中盤で躍動する藤田 photo/Getty Images

要注目の選手だ

7月末から開催が予定されている東京オリンピック。日本代表はバックアップメンバーを含む22名を発表しており、そこに追加でトレーニングパートナーとして2023年に開催予定のパリ五輪世代の6名が発表された。

メンバーとしては千葉のFW櫻川ソロモン、浦和のMF武田英寿、清水のMF成岡輝瑠、ヴェルディのDF山本理仁、磐田のDF鈴木海音、徳島のMF藤田譲瑠チマといった国内の実力者が選ばれており、今回の招集は彼らへの期待も大きいはずだ。

その中でも徳島の藤田には期待したい。ヴェルディユース出身の藤田は2019年にトップチームデビューを飾ると、昨季はリーグ戦34試合で先発に名を連ねている。今季はJ1である徳島ヴォルティスにステップアップし、ここまで12試合に出場しており、絶対的な存在ではないがまずまずな出場機会を得ている。

そんな彼の主戦場は守備的MFであり、ヴェルディ時代にはアンカーを、徳島ではダブルボランチの一角を務めている。非常にスタミナが豊富な選手であり、ミドルサードを駆け回っているイメージが強い。他にも、正確なパス捌きや推進力の高いドリブルを持っており、ボランチに必要な要素をすべて兼ね備えている選手だ。

また、昨季は新型コロナウイルスの影響から無観客で行われる試合が多かったため、選手の声が聞こえやすく、藤田のピッチ中に響くコーチングの声が90分間鳴り響いていた。このように後方から声を出せる選手の存在はチーム全体の連携力向上に繋がるため、藤田の重要性がうかがえる。

それに加えてプレイエリアの幅が広く、前述したアンカーに加えてボランチでの起用も増えている。更に彼の試合を通した働きを見ると、いわゆるダイナモに近い形となっており、インサイドハーフとしてもトップクラスの実力を兼ね備えている。

代表であれば[4-2-3-1]がベースになると考えられ、現在レアル・マドリードに所属しているピピことMF中井卓大とボランチでコンビを組むことも予想できる。中井のゲームメイク力に藤田の万能性が加われば世界でも通用するダブルボランチが形成されるだろう。東京五輪世代も楽しみなメンツが揃っているが、パリ五輪世代も非常に興味深い選手たちが揃うことになりそうだ。

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