ポルトガル版エンゴロ・カンテか? チームを救ったレナト・サンチェスの強さと賢さ

サンチェスの起用がポルトガル勝利のカギとなりそうだ photo/Getty Images

ポルトガルはベスト16でベルギーと対戦する

今回のEURO2020では優勝候補として参加したポルトガル代表。前回大会であるEURO2016では優勝しており、更にメンバーを見ても、クリスティアーノ・ロナウドやペペといったベテラン勢に加え、ルベン・ディアスといった若い選手も出てきており、注目度の高い強豪国であった。

しかし、初戦のハンガリー戦では結果3-0で白星を挙げるも、内容だけでいえば大苦戦となった。続くドイツ戦もチーム全体での守備が機能しておらず、4失点の敗戦に。次節のフランス戦に負けると、グループステージ敗退の可能性が高くなるプレッシャーの掛かる中で最終戦を迎えた。

結果の求められるフランス戦では監督であるフェルナンド・サントスはロナウド、ベルナルド・シウバ、ディオゴ・ジョタ、ブルーノ・フェルナンデスの攻撃力に特化したユニットを解体し、より中盤的なレナト・サンチェスを先発に起用した。

この起用が大当たりとなる。サンチェスがピッチに立つことにより、中盤でボールを奪う回数が増え、ミドルサードでのフィルターが機能し始めた。また、キープ力、配給力の高い彼を中盤に起用することにより、前述した攻撃的な選手の組み立てへの参加を極力減らし、前線に集中させたことが大きい。

得点はロナウドのPKのみであったが、ハンガリー戦、ドイツ戦に比べ、攻撃面は多少改善されたように思える。それでも、シウバを中心とした右サイドからの攻めが効果的に行えておらず、ここが今後の改善点か。

前述したようにサンチェスのフランス戦での活躍は素晴らしく、少し大げさかも知れないが、フランス代表のエンゴロ・カンテのようであった。前回大会で活躍したこともあり、知名度の高いサンチェスだが、まだ23歳と若く、大会終了後には各クラブが争奪戦となる超人気銘柄になりそうだ。

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