プレミア王者にカンセロの居場所はもうない? その理由は戦術にあり

勢いが失われつつあるカンセロ photo/Getty Images

退団の話が出ているジョアン・カンセロ

今季も欧州サッカーの全日程が終了し、各チームが来季に向けて既に動き出している。プレミア王者となったマンチェスター・シティも補強の噂が飛び交っており、来季の陣容が楽しみだ。

そんなマンCだが、「カンセロ・ロール」で一世を風靡したジョアン・カンセロが来季チームを去る可能性があると、英『The Athletic』が報じている。現在の自身の起用法について不満があるようだ。

カンセロは右を本職とするサイドバックだが、チームでは左サイドバックとしての起用が多く、一時期は左右両方でのファーストチョイスであった。しかし、シーズンが終盤になるにつれて序列が落ちており、現状では両サイドバックをこなせるバックアッパーとしての立ち位置だ。CLのファイナルでもベンチを温めており、それが一つのきっかけなのかも知れない。

このような状況になったのはマンCの戦術が原因だと言える。フォーメーションは[4-3-3]だが、実際は左サイドバックが高い位置を取ってそれを補うかのように、右サイドバックが後方で守備に徹する3バックのような形を取っている。そうすることによって攻撃に人数を掛けつつ、守備でも十分な枚数を用意することに成功している。しかし、このシステムはアスリートとしての能力がずば抜けているカイル・ウォーカーの存在があって成り立っており、カンセロが同じ役割を担えるかと言われれば難しいだろう。もちろん、左右が高い位置を取ることもできるが、それをできるのはプレミアの下位チームのみであり、一つのミスが負けに繋がる独特の緊張感があるCLや上位陣との対戦では使えないだろう。

逆に左サイドバックにウォーカーのような人材を配置してカンセロが高い位置を取る手段もあるが、バンジャマン・メンディでは実力不足が否めない。移籍の噂としてはアスリートタイプのヌーノ・メンデス獲得の報道が盛んに行われているが、どうなるか分からない。

現状はオレクサンドル・ジンチェンコが左サイドバックとしてのファーストチョイスとなっており、そこで争うしか道はないだろう。カンセロの今後の動向に期待したい。

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